スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ダンボール戦機二次創作小説SS⑫

レイカは今、2年生寮にある遠山 カオリの部屋に来ている。



同好会試験の結果を受け取りかなり落ち込んでいたカオリを見かねて部屋まで送ってきたのだ。



カオリのルームメイトはアテナの突然の訪問に驚いた様子だったが、カオリの様子を見ると二人にお茶を用意してからそっと一礼をして部屋を出ていった。



レイカ「・・・いいルームメイトね・・・」



カオリ「・・・はい・・・・親友です・・・小等部時代からの・・・」



 カオリは親友の入れてくれた暖かいお茶を飲み大分落ち着きを取り戻したようだった。



気分が落ち着くと再び試験の結果をかみしめ自分のふがいなさを思い出さずにはいられなかった。



ひとしきりレイカに弱音を吐き終え、カオリの様子が落ち着いてきたのを見ると、レイカはCCMで誰かと電話をしはじめた。



電話の相手と話しがついたのかレイカはカオリにLBXを持って付いて来るようにいうと準備が整ったところでどこかへ向かい歩き出した。



カオリ「・・・あのレイカさん・・・一体・・・・?」



 レイカは無言のまま校舎を抜け、そのはずれにある小屋に辿り着いた。



カオリ「・・・ここって・・・あの?」



レイカはIDをかざすとその小屋のドアを開け、カオリを中に入るよう促した。



すると中から彼女達を向かえる声がした。



セイジ「ん・・・あ・・・いらっしゃい・・遠山 カオリさん・・・だね?」



カオリ「・・あ・・はい・・あの・・あなたはもしかして・・」



レイカ「・・・ツチノコよ・・・・」



セイジ「!・・・・・・・・。」



恵 子プククク・・・よかったわね・・世にも珍しいあだ名がついて・・・ね?会長さん?」



会長さんと呼ばれた先輩らしき人物は不機嫌な様子を隠すことなくレイカさんに向かってぶっきらぼうに告げた。



セイジ「・・・・・・で・・ほんとにいいんだね?・・・遠山さんに実力がなければ返って・・・」



 レイカさんは睨みつけるように会長と呼ばれた先輩を見つめた。その様子を見た会長さんは「わかったよ」という仕草をしながらワタシに説明をはじめた。



セイジ「ん・・・遠山さん・・結論から言うと君は今日の同好会試験は不合格でした・・・・・・



でもそこにいるレイカがキミを高く買っていてね・・いわゆる追試をすることになったん



だ・・・受けてみるかい?」



カオリ「・・・え・・・でもそれじゃあ・・・・」



 (それじゃあワタシだけ特別扱いじゃない!いくらレイカさんの好意でもこれは受けられない!)



カオリ「・・・レイカさん申し訳ありません!ワタシ、追試はお受けできません!これはみんなが平等に試験を受けた結果で自分の実力不足が原因ですから!失礼します。」



 ワタシがプレハブを後にしようとすると「会長さん」が後ろからワタシを引き止めこういった。



セイジ「ん・・・ごめんごめん・・・ちょっと説明を省きすぎたかな?ま・・ちょっとそこに座って話を聞いてからでも遅くないんじゃないかな?」



カオリ「・・・・・・わかりました。」



 そこからは会長による追試とそれに至る経緯が説明された。



本来同好会は門戸を開いておらずその試験を受けるためには限られた方法しかない。



まずは会長及び顧問によるスカウト、それも試験を受けた上で合格した場合。(例外もあるが)二つ目は正会員の推薦があった場合。



これは自分が推薦をした人物に同好会入会試験を受けさせることができるというものだ。



 ただし、推薦できるのは3年生の正会員一人に付き一回のみで再試験はないというものだった。



今回の「追試」はレイカが持つ同好会正会員としてのその一回限りの特権を行使して行われるものとのことだった。



カオリ「・・・え・・・でもそれじゃあ・・・・」



セイジ「ん・・・そういうことだね・・・レイカは今回の試験は無事合格・・そしてその一度限りのチャンスを君に賭けた・・・そういうこと・・。」



ワタシはレイカさんを見た。



その目はしっかりとワタシを見ていた。



そしてその目はこう告げていた。



「ここで立ち止まる者に次期部長は任せられない」と



レイカ「・・・・・・・・・・・」



 ワタシは覚悟を決めた。



カオリ「・・・試験・・・受けます!」



セイジ「ん・・・それじゃ決定だね・・・・じゃあちょっと準備があるからLBXの準備をして待っていてくれるかな?」



そういい残すと会長さんはレイカさんを連れてどこかへ行ってしまった。



カオリは促されるようにバトルの支度をはじめた。



10分程で準備を終え、試験の開始を待っていると顧問の先生が声を掛けてきた。



恵 子「遠山さん・・・だったわね・・・一応名乗っておくけどLBX同好会顧問の



花見 恵子です。」



カオリ「あ・・遠山です。お手数お掛けします。よろしくお願いします。」



恵 子「う~んさすが次期部長候補!しっかりしてるわ~。それにしてもあなた・・・見込まれたものね~一昨年辺りからレイカちゃんてば「遠山さんを同好会に入れたい」ってずっといってたからどんな子かな~と思ってたところなのよね~♪」



カオリ「え!・・・一昨年ってそんな前からレイカさんは同好会メンバーだったんですか?」



恵 子「そうよ~って、これ・・まだ言っちゃいけなかったんだっけ・・・失敗失敗♪でもまあ、あなたがこの試験に合格できれば問題なしよね~。」



カオリ「・・・・・・・・・」



恵 子「まあそんな固くならずに~・・・ね!あのレイカちゃんが認めているんだもの~全力を尽くせば結果はおのずと出るわよ~」



カオリ「ハイ!」



花見先生と話していると準備を終えたレイカさんと会長が戻ってきた。



そして試験の内容が会長サンから言い渡された。



セイジ「ん・・・試験はレイカとの1体1のLBXバトル、ゼネラルレギュレーション、



で行います。準備はいいかな?」



カオリ「ハイ!」



レイカ「ええ!」



ルール  ゼネラルレギュレーション



ステージ 草原



アイテム使用不可



それぞれのLBXが投下される。



カオリ「いって!ウォーリア!



使用LBX ウォーリア 機体色通常



装備 妖刀ヤタガラス×2 ライトバックラー HGスキャッターガン



続いてレイカのLBX



レイカ「行きなさい!メドゥーサ!



使用LBX メデューサ 機体色オリジナル



装備 邪槍メデューサランス イージスシールド 我王鬼神刀



カオリ!・・メデューサ・・・・・・・あの噂・・・ほんとだったのね・・・)



 LBX部には一つの噂があった・・・レイカが使っているクイーンカスタムはその本来の機体ではなくもう一つ全力で戦うときのための機体が存在するというものだった。



だがその機体を使うレイカを見たものはおらずレイカの強さを伝える噂に尾ひれがついたものだろうと今日までカオリは考えていたが・・・)



レイカ「・・・カオリ・・準備はいいかしら?・・・手加減はできないの・・・全力で向かってきなさい!」



カオリ「・・・は・・・はい!」



バトルスタート



カオリのウォーリアはまず距離を取り岩陰に身を隠して様子を窺った。
カオリ(・・・初めて見るLBX・・・おそらくはハンドメイドの一点物・・・しかもプレイヤーはレイカさん・・迂闊に攻撃すれば一瞬でやられる・・・・まずは機体の情報を集めないと勝負にもならない・・・まずは・・・!)



ウォーリアは岩陰に隠れながらメデューサに向かい銃を乱射し始めた。



 その攻撃をレイカのメデューサは巧みなホバー捌きで踊るようにかわしてみせた。



カオリ(・・・クイーンよりも動きが繊細・・・たぶん内臓のブースターの数はクイー



ンカスタム以上ね・・・今見ただけでも8つ・・・大型も内蔵していると思って間違いな



い・・・次は・・・)



 カオリは銃で牽制をしながらそのアーマーフレームの形状に注目した。



カオリ(・・・全体の印象はクイーンとは違って・・・名前どおり神話に出てくるメデュ



ーサそのもの・・・装甲はかなり厚い感じ・・・少なく見積もってもクイーンカスタム以



上・・・それにクイーンカスタムがこのメデューサのダウングレード版と考えればあの腕



も並みのブルド以上のパワーがあると考えていい・・いやクイーンカスタムの方がメデュ



ーサを模倣して作られたLBXなのかも・・・・それにあの胸部の装甲・・左右に開くよ



うになっている・・・たしかプロメテウスのハカイガーは我王砲(ガオウキャノン)発射



用の砲門があった・・・背面にはタービンがついてて、・・・・・・)



カオリの予想通りメデューサの背中にはタービンが二つ付いていた。



カオリ(!・・2門ついてるってことは・・・それにあの頭部の形状・・・なにか嫌な予感がする・・・・メデューサ・・・・・神話の怪物・・・その目を見たものは・・・)



「ピピ~~~~~~!」



ここで突然、会長サンが胸に下げていた笛を鳴らしてバトルを中断させた。



するとレイカさんの前に行き、静かにこう告げた。



セイジ「レイカ・・・僕をバカにしてるのか? 君が遠山さんに期待をしているのは分かる・・・でも彼女を推薦した君自身が彼女の力を信じないでどうするんだ・・・これ以上彼女に情報収集のための時間を与えるなら試験は即刻中止・・これは同好会会長としての命令だ・・いいね」



カオリ(!・・・・・・)



レイカ「・・ゴメン・・・セイジ・・・」



セイジ「ん・・・さて遠山さん・・・ここからはもう一切の余裕はなくなる・・・みせてもらうよ・・・キミの実力が本当にこの同好会に届くかどうか・・・」



カオリ「・・・・・・ハイ!」



セイジ「ん・・・それじゃ試合再開!」



「ピピ~~~~~~!」



 先ずはレイカのメデューサがカオリのウォーリアとの距離を猛然と詰め始めた。



ウォーリアは確実に狙いを定め銃を当てているがイージスシールドを構えたメデューサに、スキャッターガンの玉はすべて弾かれてしまっていた。



カオリ(あのLBXに銃は効かない・・・なら・・・)



 ウォーリアは妖刀ヤタガラスとハードバックラーを構え、我王鬼神刀を盾に隠したメデューサを迎え撃つ。



 スピードに乗ったメデューサがすれ違いざまに我王鬼神刀を当てようと迫る!
カオリ(レイカさんの必勝戦術・・でもトップスピードがクイーンと変わらない・・・・変だ・・これは・・試してみる!)



 ウォーリアは左手の盾を前に右手の剣を逆手に構えてメデューサに突っ込んでいった。



セイジ (・・・このままいけば次で決まってしまうけど・・・)



ウォーリアとメデューサが激突する瞬間、ウォーリアは我王鬼神刀の一撃を紙一重でかわし、メデューサのイージスシールドを蹴り上げた、その瞬間!



カオリ(!)



メデューサの頭部が回転しその髪を模したジェネレーターの先が割れヘビのように蠢き、その中央あるデクーのような赤い瞳が爛々と輝き始めた。



カオリ(やっぱり!)



そしてその赤い瞳から光を帯びた一閃がウォーリアに向かって放たれた。



ウォーリアは左手に持っていた盾を頭部に向かって投げつけるとメデューサの下のわずかな空間をスライディングでくぐりその攻撃をかわした。
レイカ「!」



セイジ (・・・へえ・・・さっきの情報収集で頭部の形状からなにかあると警戒していた感じだね・・・・・それにあの一瞬であれだけの動きをこなすなんて・・レイカが推すのもうなずける・・・・でも・・・まだちょっと足りないかな・・・)



「ドガッ!」



カオリエッ!



カオリのウォーリアはその場からかなり後方に吹っ飛ばされた。



カオリはなにが起こったのかをすぐに理解した。



 メデューサの下半身の一部が変形し尻尾のようになっていたのだ!



 ウォーリアはその尻尾の一撃でフッ飛ばされたのだ。
間髪を入れずメデューサの胸部が左右に割れ尻尾の先が地面に突き刺さり胸部の砲門からその二つの閃光が放たれた!



レイカ「超我王砲(ちょうガオウキャノン)!」









スポンサーサイト

ダンボール戦機2次創作小説SS⑪

恵子はIDカードをかざし、研究室に入った所で、不機嫌な様子でパソコンに向かっているセイジに開口一番こう声を掛けた。



恵 子「ご機嫌はいかがかしらー?ミソラ医中のツチノコさーん♪」



    セイジは憮然とした表情で恵子に一瞬視線を走らせるとまた無言で作業に没頭しはじめた。



セイジ「・・・・・・・・」    



恵 子「ありゃーさすがにご機嫌斜めねー・・・まー無理ないわね・・・・プププ・・・」



セイジ「・・・・・・・・それで・・・その後の守備は?」



    セイジは短く恵子に尋ね、恵子は手に持っていた書類をセイジに手渡した。



    セイジは書類に目を通すと無言でそれを返しまた作業に戻ってしまった。



セイジ「・・・・・・・・できた・・・・それじゃこれ・・頼むよ・・・今日は寝る・・・」



    セイジは量子USBメモリを恵子に手渡すとそのまま研究室奥にある自室に引っ込んでし



まった。



恵 子(・・・・トラウマはそう簡単には抜けないわね・・・大分精神的に不安定になってきている・・・・・・・でも・・・3年前とは違う・・・あの子自身も・・・取り巻く環境も・・・それに今のあの子の周りにはあの子を支えてくれる子たちがいる・・・・・うまくいけばあの子にとってこれは大きなチャンスになるかも知れない・・・)



恵子は彼女達との出会いがセイジにとっての幸運であることを願いつつメモリを握り締めた。





レイカは自室備え付けの手狭な浴槽の中に顔を半分まで浸しセイジからのメールを呼んでブクブクと泡を立てていた。



レイカ(はあ・・・・・もう・・・さいあく・・・・・・・)



    レイカはそのメールを見て落ち込んでいる自分に気づき再び泡を立てた セイジから届いたメールはこんな内容だった



 LBX同好会入会試験実施 理事会の承認を受諾 開催日時は○月×日(日)午前9時から学校体育館で開始、受付は8:00~LBXは会場で貸し出しあり、持参も可。応募締め切りは明日16:00まで LBX部顧問 初美清美 教諭まで提出。



1次試験(実技)9:00~ 2次試験(筆記)13:00~ 2次試験は1次試験合格者のみ参加 、2次試験参加者には本人へメールにて合否を通知する。



また後日入会に際しての注意を面接と合わせ、個別に行うものとする。



なお不正を防ぐため現LBX部同好会員は全員退会処分とし他の受験者と等しく今回の試験の結果を持って同好会への入会の可否を決定する。



また試験内容も刷新し受験者全員同一条件の元で行うものとする。



試験に際し現同好会員のこれまでの実績は一切考慮されないものとする。



試験終了まで校内でのLBXバトルは原則禁止とする。



なお上記内容は学内掲示板及び学内ネット掲示板にて告知済み。



以下私信



LBX部所属員の申請は一括で同好会顧問まで提出のこと。



なお現在所持している会員証兼IDは登録抹消となっている為研究室及びプレハブへの出入りも不可。



以上。



レイカ( 以上か・・・・・・・・あの子が必死で守ってくれた私の居場所がメール一通であっさり出入り禁止・・・・か・・・・・・・・・)



    レイカは風呂場に持ち込んだ一枚のIDカードを眺めながらふうっと溜息をついた・・・



    そのIDにはLBX同好会会員NO、01 と刻まれていた。



レイカ・・・・・・LBX選手権の申請締め切りまであとひと月ちょっと・・・・それまでに全部を片付けるためにも必要な事なのはわかってるけど・・・やっぱり・・・つらいな・・・・・・・・・・・・・・・・買い物どころじゃ・・・・・ないよね・・・・。)



    レイカがその顔を湯船につけ嗚咽を堪えていると新たなメールの着信を伝える音が浴室に響いた。



レイカはそのメールを開くと一言・・・独り言をつぶやいた。



レイカ「セイジの・・・・ばか・・・・・・。」



 追伸



旧LBX同好会親睦会案内 開会日時○月×日(祝日) 9:00にNO、01の旧会員証持参の上ミソラ学園駅改札前に集合のこと 目的地 アキハバラ これまでの功績と実績を加味し、各人に同好会研究費を一律に提供、(金10000クレジット也)目的 旧同好会の功績を讃え、親睦を図り、且つ各人のLBXバトルの戦績向上を目的とする。





同じ頃ヨウコとルナもそれぞれセイジからレイカとほぼ同じ内容のメールを受け取っていた。反応はそれぞれ違ったが3日後の試験に向けてそれぞれの特訓が始まろうとしていた。





ヨウコ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



    ヨウコは無言でその一通のメールを見ていた。



    普段にぎやかなルームメイトが静かなことに気づきミチルが声を掛けた。



ミチル「ヨーコ?・・・・メールどうかしたの?・・・」



    ヨウコは呆然とした顔でミチルを見ると突然、涙を流し始めた。



ミチル「!・・・なにがあったの?」



ヨウコ「・・・・・・あたし・・・・またひとりぼっちになっちゃった・・・・」



    ミチルは慌ててそのメールの内容を見ると、涙を流して落ち込む親友にこう問いかけた。



ミチル「ヨーコ・・・なんで泣いてるの・・・べつに泣く理由・・ないよ!」



    ヨウコは答えた。



ヨウコ「・・・だって・・・あたし・・・・会長のお情けで入れて貰ってた仮会員だし・・・・



また同好会の試験を受けても・・受かりっこないよ・・・・」



その様子を見たミチルは心を鬼にして言った。



ミチル「そうだね・・・・いまのそんなヨーコじゃ絶対に無理!あの子の隣に立つなんて夢のまた夢だね!」



ヨウコ(!・・・・・・・・・・・ルナさん



ミチル「・・・・・・・・・もう一度ルナさんの言った言葉・・・思い出してみて・・・・ヨーコ・・・・



ヨーコはあの子の目標なの・・・」



ヨウコ「・・・・・・・・・目標・・・・・ルナさん・・・・あたしの目標!」



    ヨウコの目から涙は止まっていた。



すると新しいメールの着信を告げる音が二つ響いた。



砂山さんへ



試験が終わるまで練習バトルはおあずけだけどまたよろしくお願いします。



石森 ルナ



ヨウコ(・・・試験が終わるまでっ・・て・・・・・・疑ってもないんだ・・・ルナさん・・・・あたしが試験に受かるって・・・・・)



    もう一通のメールは会長からだった。



追伸



同好会会長 御崎セイジ は 砂山ヨウコ に対してこの一ヶ月の中で、LBXに関する可能な限りの技術と知識を託したつもりだ。それが君の中でどう生かされたのかぼくに見せてほしい。そしてキミを旧同好会に加えたぼくの判断が正しかったことを証明してくれると信じている。                          御崎 セイジ





ヨウコ「・・・・・・会長・・・・・・ルナさん・・・・・・・!!」



   ヨウコの目にもう迷いはなかった。



   すぐに机に向かいパソコンを起動し、これまで会長から教えてもらったことをまとめたファイルを呼び出し、じっと画面を見つめ始めた。



ミチル(・・・世話のかかる親友なんだから・・・ホント!)



   ミチルは眠気が覚めるようにとミントを効かせた紅茶を入れ始めた。





CCMを病室備え付けの外部送信用端末から外し、ルナはベットに横になった。



   会長から受け取ったメールを見ながらルナは物思いにふけっていた。



ル ナ(明後日は入会試験か・・・・・一応おさらいはしておこうかな・・・・)



   ルナはLBXに関することを書いたメモを保存したファイルを呼び出そうとCCMを操作し



ているとなつかしい画像が目に留まった。



そこにはいまよりも幼さを残すルナ本人と寄り添うように写る女の子と二人の男の子の姿が



あった。



ル ナ(・・・・・・・・・・・・みんな・・・・・・)



   ルナの目から一粒の涙が零れ落ちた。



ル ナ(・・・みんな・・・わたし・・・いま幸せだよ・・・それにいつかみんなとの約束も絶対に果たしてみせるから・・・)



   ルナはその画像を閉じ、探していたファイルに1時間ほど目を通して、眠りについた。





   それからの数日間はこれまでの数日の出来事がウソのように何事もなく静かに過ぎていった。



   ルナとヨウコの二人も試験終了まで周囲にいらぬ誤解を与えぬようにと、どちらともなく距



   離を置きながら過ごしていた。



   そして日曜日、入会試験当日の朝となった。



   時刻は8:40分、会場となった体育館前の受付では混乱もなく、スムーズに受付が行われ



ていた。



   ヨウコは受付を済ませると体育館の半分ほどを埋め尽くした番号つきのパイプイスの中から



自分の番号を見つけ、着席をした。



LBXの準備を済ませ、心に余裕が出てくるとヨウコは周囲の様子を窺った。



ヨウコ(受験者は・・・・イスの番号が108番まで・・・少なくともそれだけの希望者がいたってことか・・・)



   顔ぶれを見ると元LBX部の部員の多くが参加をしていた。



先日の太田の同好会とLBX部掛け持ちの件を聞いてならば自分も、と参加を決めたものが



多かったようだ。あとはアウトローや会長目当ての野次馬ばかりだった。



顔ぶれは2年生と1年生がほとんどで3年生の姿は数名を除いてなぜか見当たらなかった。



その数名とはレイカ、太田、他、数名のみだった。



ヨウコ(受験者は・・・・イスの番号が108番まで・・・少なくともそれだけの希望者がいたってことか・・・)



   ヨウコがそんなことを考えていると隣のイスに番号札をもった受験者が座った。



   ヨウコはその顔をみて思わず声を上げた。



ヨウコ「ゲ!・・・・・め・・・メガネ・・・なんであんたがここにいるのよ!」



   メガネと呼ばれた男子は若干顔を引きつらせながら答えた。



メガネ「・・・・砂山さん・・・・一応ボクとは小等部のクラブ時代から面識があるはずです!・・・・・いい加減「メガネ」はやめてもらえませんかね?!・・・思えば小等部のクラブ時代から「メガネくん、メガネくん、」と・・・もしかして・・・ボクの本名を知らないなんてことは・・・・・」



ヨウコ「そ・・・そんな・・・こと・・・は・・・な・・・・・・・・・(アレ?)



メガネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



    ヨウコは顔を横に背け必死に自分の記憶を探っていた・・・・が「メガネ」以外の単語が自分の記憶の検索に引っかからずかなり焦っていた。



するとメガネから



シュン「・・・ハ・・瞬・・・・音科 シュン(オトシナ シュン)です・・・・」



ヨウコ「そ・・・そう!シュン!シュン君!うん!わたしの記憶ともバッチリあってたわ!ハ・・・アハハハハハハハ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめん



    気まずい空気が流れるなかシュンがヨウコに顔を背けながら言った。



シュン「・・・・この前の件は・・・迷惑を掛けた・・・こちらの勘違いです・・・・・すまない・・・」



    ヨウコもシュンと同様に顔を背けながら、



ヨウコ「・・・・レイカさんから事情は聞いた・・・・・たぶんあれだけの状況証拠がそろってたら・・・・きっと・・・あたしも・・・・・・・・」



シュン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ヨウコ「・・・・・2年近くも同じクラブにいて名前・・覚えてなかったんだし・・・・これでおあいこってことで・・・・・・それと・・・・クノイチ・・ありがとう・・・・・あとの二人にもそう言っといて・・・・」



シュン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった・・・・伝えておきます・・・」



    それ以上の会話が続かずにいると、また気まずくなりそうだったのでヨウコはふと思ったことを質問してみた。



ヨウコ「・・・・そういえばあんたさ・・・なんでこの試験受けるの・・・会長の姿がみたいわけじゃないよね?・・・・・」



シュン「・・・あんな野次馬連中と一緒にしないでくれ!・・・・・きのう・・・退部届けを出し



てきました・・・・けじめですよ・・・・・・・」



ヨウコ「・・・・いっ!・・・・」



    ヨウコはシュンのこの頭の固さがなんとなく憎めなかった。



    太田の話を聞いたあとLBX部で試験を受けるものは掛け持ち前提の力試し程度で参加しているものがほとんどであったがシュンはわざわざ退部をしてから試験に臨んでいた。



まさに背水の陣である。



ヨウコ「・いっ・・・いくらなんでも退部はやりすぎじゃ・・・・」



シュン「・・・・・・・決めたんだ・・・・もう・・・・・・・」



    ヨウコはその様子から何か事情があるのだろうと察しそれ以上は聞かなかった。



    試験開始5分前、現役LBX部員がゾロゾロとやってきて後の席を埋めた、体育館にアナ



ウンスが流れ、試験開始時間になった。



    初めの試験は予告どおり実技だった。



    多くのものがLBXバトルによる勝ち抜き戦を予想していたがその予想は見事にはずれ



    まず行われた試験はいわゆる綱渡りだった。



    大き目のフィールド内にまるでアスレチックのように曲がりくねった道がまるで立体的な



作りの高速道路のように敷かれていた。



同じつくりで幅の違うものがいくつか並んでいた。



その脇にはストライダーフレーム用と書かれており各フレームのサイズや特長に対応した



もののようだった。



試験の内容はこの道を自分のLBXを使ってスタートからゴールまで道から落ちないよう



に1分以内に走りきるという単純なものだった。



長さは全長5m程でそんなに長い距離ではなく1分あれば充分ゴールまでたどり着けそう



に見えた。



ただし途中にあるラインから先は備え付けのボックスルームに入りCCMからの画像のみ



で操作するという内容だった。



最初はカスタマイズのための時間としての全員に20分が与えられた。



時間になり全員が再び着席したところで順に番号を呼ばれ試験が開始された。



みなその単純極まりない試験に楽に合格できるだろうとたかをくくっているものが大半だ



ったが不合格者がひとり、またひとりと肩を落として正面の「不合格者席」に座り、その



人数が次第に増えてくるとその難易度の高さが伝わってきたようだ。



この試験は「LBXの基本的な操作を行えるのか」というごく単純なものだったが普段バ



トルを楽しむ程度ならば道幅を気にして行うような操作はなく、CCMからの画像と目視



で見える光景を自分のなかで一つの情報としてまとめ正確にLBXを操作する技術が必要



とされた。



また途中からCCM画像のみでの操作を求められ、そこでの脱落者が最も多かった。



LBX本体のセンサーやカメラ画像の切り替えなど普段のバトルではめったに使わないよ



うな機能などを駆使しないとまず合格はできず、番号30番までの試験が終わるのに10



分もかからなかった。



その全員が試験前まで「ちょっとLBXには自信がある」だったのが試験後はそのちっぽ



けな自信をあっさりと打ち砕かれこの試験を受けに来たこと自体間違いであったと思い知



らされ、追い討ちを掛けるように不合格者はこれから試験を受けるものたちが座る席の正



面に用意された「不合格者席」に座り、全員の試験が終了するまでそこに座って待ってい



なければならず、加えて不正防止の名目で「両手は開いて膝の上に置き、顔を上げ常に正



面を向くようにとの指示が会長の印鑑付きで書いてあり、俯くことすらできず、その落



ち込んだ様子を完全な晒し者にされていた。



不合格者たちはこの席に座ってはじめて 「会長」 と呼ばれる人物が「かなり怒ってい



る」のをその身を持って思い知ることになった。



どうやら自分をツチノコ扱いしたものたちへのささやか?な報復のようだった。



不合格者たちは自分達が関わろうとしていた人物が安易に近づいてはいけない者であるこ



とを身を持って知り、試験の終了をその後悔とともに心から待ちわびていた。



気の毒に感じているのか、監視役の教師もその仕事の内容に反してその目は宙を泳ぎがち



だった。



その後1時間ほどで体育館に再びアナウンスが流れた。



ようやく1次試験が終了し、不合格者たちはこの精神的拷問から開放された。



この試験以後、セイジの姿を校内で見かけても誰もそれを目で追うようなことはなくなり「会長」のウワサを自らしようと言うものもいなくなったという。



結局1次試験の通過者は108人が35人まで絞られた。



昼休みを挟んで13:00からは筆記試験が始まった。



不正防止の為ということで初めに集められた教室から移動したときヨウコはざっとその顔ぶれを見渡した。



その中にはルナ、LBX部の面々、シュンや・・おまけにミチルまで残っていた。



ヨウコ(い!・・・なんでミチがいるの?・・・・・いや・・・今は試験に集中!)



    全員が情報処理室のパソコン前に座るとそれぞれの席には仕切りがされていた。



    問題用紙が配られ、時間になり試験官役の教師が全員に告げた。



試験官「えー・・・それでははじめてください。」



捲ったテスト用紙に名前と受験番号を書き込みヨウコはその問題を見て驚いた。



以前受けた、いわゆるLBXに関する一問一答ではなく、それらが基礎知識として備わっていることを前提にして出された問題だった。



例を挙げると



問②



映像に写るLBXのカスタマイズを解析及び類推し以下に書き出せ。



コアフレーム



アーマーフレーム



頭    腕     胴     足



コアボックス



CPU             



モーター



バッテリー



補助パーツ



他・気が付いた点



高性能のパソコンがある情報処理室が会場に選ばれた理由がこれだった。



つまり映像をパソコンや自分の経験を使って解析し、答えを見つけ出せというのだ。



単にLBXの知識があるというだけではこの問題を解くことはまず無理で、同時にプレイヤーとしてだけでなく、その解析技術や分析力なども相応のレベルが求められる。



普段から日常的に行っていないとまず解くことはできない問題だった。



ヨウコ(・・・・・・・あたしも仮入会してなければこんな問題手も足も出なかった・・・・



入ってすぐ会長に情報の整理の仕方や解析の仕方をみっちり叩き込まれたっけ・・・・



それでも黒い幽霊のことなんかはわからなくて・・・・・・今は・・試験に集中!)



    ヨウコが問題を順調に解いていく中で試験開始から10分もたたないうちにひとり、またひとりと試験官役の教師に手を上げ退室していった。



    あまりの問題の難解さにリタイヤするものが続出したのだ。



    中には問題の意味さえ把握できずに諦めた者もいるほどだった。





試験官「えー・・・それまでです。私が声を掛けたものから順に退室してください。」



    5分程して試験官からヨウコに声が掛かり、筆記用具を持って情報処理室を出たところで、廊下には、ルナがそわそわと落ち着かない様子でヨウコを待っていた。



    ヨウコの姿を見るとルナは待ちきれないといった様子でヨウコの元に駆けて来た。



ヨウコ「・・・・ルナさん!・・・・」



ヨウコの笑顔を見たルナは同じく笑顔で答えた。



お互いに試験の結果に手ごたえを感じているのがわかったようだ。



廊下の隅ではレイカが2年生の後輩を励ます様子が見えた。



次期LBX部長と噂される遠山 カオリだった。



LBX部でもみなに一目置かれるほどの努力家の彼女でもこの試験を突破することは至難の技だったようで、同好会の活動レベルの高さをこの試験は多くの生徒達に知らしめる結果となった。



またこの日を境にして、安易にこの同好会と関わろうとするものもほぼ皆無となった。



午後六時、試験の緊張から開放されていた受験者のもとに一斉にメールが通知された。



そして女子寮の食堂で夕食を済ませ、ヨウコの部屋でいつものメンバーが固唾を呑んで結果を待ちわびるなか、CCMの着信音が3つ響いた。





LBX同好会入会試験結果



砂山 ヨウコ   第2次試験点数75点   合格 



ヨウコ!・・・やったー!合格~!



一 同「「「「   やった~!!   」」」」



続いて静かにCCM画面をみんなに見せ、ピースを作ったのはミチルだった。



影守 ミチル   第2次試験点数80点   合格 



一 同「「「「   やった~!!   」」」」



ヨウコ「そ・・それにしてもミチ・・・あんた何時の間に!・・・しかもあたしより点数が上って・・・」



ミチル「・・・・秘密♪・・・・」



ヨウコ「それにしても前に試験を受けたときは見事に赤点だったあたしが75点!ん~すごいぞ!あたし!」



ミチル「・・・・ワタシも80点♪・・・正直自分でもびっくり♪・・・・」



   最後はルナの番だったがなぜか点数の話題をした途端CCMを見せるのをためらい始めた。



一 同 ((((   あれ・・・点数悪かったのかな?   ))))



   このままずっと待っているわけにもいかないとサトミがルナに声を掛けた。



サトミ「もったいぶらないで、ルナさん、はやくみせて!ね?」



   ルナは顔を真っ赤にしながらCCMの画面をみんなに向けた。



石森 ルナ   第2次試験点数100点   合格 今試験第1位



一 同「「「「     」」」」



   二人の合格で盛り上がっていた空気が一瞬で固まってしまった。



ルナは気まずそうに俯いている。



ここで空気の読めないマキエが思ったことをそのまま口にしてしまった。



マキエ「ル・・ルナさんスゴーい!100点だって!しかも1位!ワタシこんな点数取ったことないよ!ヨウコちゃんとミチルちゃんの合格もすごいと思ったけどこれは比較にならないわ!それ以上よ!驚愕だわ!あっ♪また新たな特ダネをスクープしちゃった♪・・ってなに?二人とも?」



ヨウコ+ミチル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



    二人は無言でマキエの両脇を抱え、仕切り越しのベットの奥へ連れて行った。



    しばらくしてマキエの声にならない悲鳴がこの部屋に響き渡った。



マキエ「たす・・#$%&‘(×Ο×)%&’#$%&‘」



ル ナ+サトミ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



        ここでサトミは事態を収拾するべく動き始めた。



サトミ「・・・ふう・・・やっぱりすごいね!ルナさんは・・・そういえばルナさんはLBXの大きな大会とかには出ないの?これだけ強いんだものきっと出場すればきっと優勝だって夢じゃないよ!」



    ここでルナは一瞬またあの病室での遠い目をして、少し間をおいてから話し始めた。



サトミ(しまった!地雷をふんじゃったかも・・・・)



ル ナ「・・・わたしね・・・夢があるんだ・・・」



サトミ「・・・夢・・・?」



ル ナ「・・・3年後のLBXの世界大会アルテミスに出場してそこで友達と戦いたいんだ・・・」



ヨウコ「・・友達ってLBXの・・・?」



    いつの間にか「おしおき」から戻ってきた3人が話しに加わっていた。



ル ナ「・・・うん・・・その子LBXすごく強くてね・・・わたしにLBXを教えてくれた友達



の一人なの・・・・・・それで「3年後のアルテミスで絶対戦おう」って約束したの・・・



    でも今のわたしの実力じゃあの子にかなわない・・・だから・・わたしはもっと強くなり



たいの・・・・今の御崎先輩よりも・・・もっと・・もっと!」



ヨウコ(!・・・ルナさんにとっては会長も「今」の目標であって・・・通過点なのか・・・・・・・)



    ヨウコはあらためて自分が追いかけている小さな背中の大きさを感じた。



    その後サトミの懸命のフォローもありなんとかお祝いムードも戻り、あらためてジュース



で乾杯を行うこととなった。



サトミ「え~とそれではルナさん・ヨウコ・ミチルの同好会試験合格を祝って・・・」



一 同「「「「「   カンパーイ!   」」」」」



ダンボール戦機SS⑩公開です。

はい、一度⑩を公開しましたが、設定的に無理があったので修正の上再公開です。
先日録りためていた「ひだまりスケッチ」と「おにあい」を一気に見たせいか、作品の方向性がラブコメにひきづられかけたのでなんとか踏みとどまり、ダンボール戦機の硬派な感じにもどしました。「・・・レイカは例外ということで・・・」とはいってもかなりギャグ方向にひきづられている感もいなめずマキエやサトミは完全にひだまりスケッチの影響を受けて登場しています。
太田については御崎を除けば女の子ばっかりでそれこそ「ひだまり戦機」になりかねないのでそれをなんとか修正する意味で無駄に男臭いキャラにしてみました。
イメージはイナズマの錦竜馬+壁山な感じです。
そんなこんなでSSの公開も10回を数え、書いていくほどに模型の方の制作意欲も刺激されていく感じです。
書いていて思ったのはいわゆる雑魚キャラLBXの重要性です。
どんなにかっこいいLBXでもそれをかっこよく見せるには比較対象が重要なのだと実感しています。
一般機で代表的なウォーリア、ムシャ、カブト、アマゾネス、マッドドッグ、オルテガ、タイタン、
ズール、グラディエーター、ブルド改、クイーンなどたくさんいますが、そのやられ役のパーソナリティーを表現するためにもこのLBXは重要なのだと感じました。
ましてそれをジオラマにして載せよう考えているのですから・・・・これはかなり頑張らないと・・・・・・つくったスクラッチの数だけSSのジオラマの表現の幅が大きくなる・・・・これはほんとに大きいです。もし、こういった一般機をスクラッチする場合私は苦手ですがやはり複製を前提に製作をするようにしなければなりません。
まあ現実的に考えれば今あげたものを全部など何年かかるかわかりません。
たぶんモチベーションが続きません。
よってその自分の悲しい妄想をモチベーションに変えてとりあえずいまはデクー改のヤスリがけを毎日コツコツ行っています。ジョーカーのハイフレームアームくらいは作るかもしれませんが・・・・こうしてブログを書いてしばらくたってからそれを読み返すとそのときの気持ちがよみがえり、再び手を動かす原動力になったりします。
あくまで自分の楽しいと思える範囲でやっていきたいと思います。以上です。



ダンボール戦機2次創作小説SS⑩

その後若干お昼に受けたダメージを引きずりつつ午後の授業も無事終わり、放課後になったところでヨウコはプレハブに向かうためIDロッカーからキャリーBOXを出し、ルナは今日のデータ採取に向かう準備をしていると、3年生と思われる男子と2年生4名程でやってきて教室にいる全員に向かって声を掛けてきた。



2年生「同好会会員の石森 ルナってのはいるか?」



ヨウコ+ルナ(・・・・・・)



       突然、自分の名前を呼ばれルナはかなり驚いた様子で声の方を振り返った。



       ヨウコはこれから起こるであろう事態を瞬時に理解しルナの前に立ちこういった。



ヨウコ「・・・何か御用ですか?・・太田先輩」



    ヨウコの声は敬語こそ使っているが明らかに敵意むき出しのものだった。



    太田はLBX部強硬派と噂される一人だ。



    ヨウコのその様子にようやく事態を理解したルナも心の準備を整え始めた。



    ヨウコたちの視線に説明不要と判断した太田は一枚のIDを取り出した。



    そこにはこう書かれていた。



     校内LBX対戦許可証 



    このIDは顧問の教師のみがもつ許可証で校内で部外(実質同好会のみだが)のものとLBXバトルを行う場合あらかじめ申請をし、それが認められた場合に渡されるものだ。



    このIDを対戦を行う相手と自分のCCMに読み取らせ、その可否が表示されるものだ。



    これによりその対戦結果が自動的に学園のメインサーバーに記録される仕組みだ。



       3バカたちはヨウコの件を伏せておきたかったため無許可でバトルを繰り返していたが、



この対戦は学校側も認めている正式なものと言える。表向きはだが・・・・



太 田「さあ・・・・はじめるぞ・・・・CCMを・・・」



ヨウコ「待ってください!石森さんは体に持病があるんです!今からその検査に向かわないといけないんです・・・バトルは検査が終わってからにしてください!」



太 田「同好会会則②同好会会員は校則に反しない限り緊急時以外、試合の条件にかかわらずその申し出は必ず受けることとする。だったな・・砂山。」



ヨウコ「・・・・くっ・・・」



ル ナ「・・・・・砂山さん・・・わたし大丈夫だから・・・」



ヨウコ「でも!」



ル ナ「・・・わたしの強さ・・忘れちゃったの?」



ヨウコ「・・・!?・・・」



    握っていたルナの手は震えていた。きっとあの時の記憶がよみがえっているのだろう。



    それでもルナの目から闘志は消えていなかった。



ル ナ「・・・お願い・・・砂山さん・・・そこで見ていてね・・・絶対勝つから!」



ヨウコ「・・うん!」



場所を広い中庭に移しルナさんのIDをCCMに読み取らせ太田はDキューブを展開させた。



中庭は当然のようにギャラリーで囲まれていた。



誰かが学内ネットの掲示板に書き込んだらしい・・・いつもの事といえばいつものことだが・・・・



ルール  ゼネラルレギュレーション



ステージ 草原



アイテム使用不可



それぞれのLBXがバトルステージに向かって投下される。



太田とLBX部強硬派その他4名



太 田「行け!ハカイガー!」使用LBX ハカイガー 機体色通常



装備 ブルドアックス 四連ランチャー 



他強硬派の面々「「「「つぶせー!」」」」



使用LBX デクー・デクー改・デクー軽装型 デクー監視型 機体色通常



  装備 各種



強硬派の残りのメンバーが当然のようにバトルに参加してきた。



ヨウコ「・・やっぱり!だったらあたしも・・・・!?」



あたしは加勢しようとクノイチを準備したが振り向いたルナさんの目がそれを強く拒否していた・・・・



ヨウコ(そうだよね・・あたしも信じなきゃね・・・)



ル ナ(見ていて!砂山さん!)



ル ナ「ナイトメア!」



装備 クレセントムーン ルナティックランス 機体色赤





バトルスタート



太 田「全員で囲め!円陣だ!そうすれば奴のスピードも生かせないは・・」



太田が指示を発している途中、一陣の風が太田達のLBX間を駆け抜けた。



そして太田たちのLBXの前からナイトメアの姿が消えたのだ。



・・いや正確には移動していたのだ、太田たちのLBXが作ろうとしていた半円の中央



に・・・



強硬派全員 「「「「「・・ず !!!!! 」」」」」



      



      ルナは勝利の雄叫びのように高らかに叫んだ!



ル ナ   「必殺ファンクション



    



アタックファンクション ルナティックハリケーン





ルナのナイトメアがクレセントムーンの刃先に幾重にも重なった三日月型のエネルギーをため、デスサイズハリケーンのモーションからエネルギーのハリケーンを放った!



デスサイズハリケーンはエネルギーの渦に相手を巻き込みダメージを与える技だが、ルナのオリジナルファンクションはさらに渦の中をブーメランのように飛び交う三日月型のエネルギーの刃がその渦に巻き込まれたLBXをズタズタに切り裂いてしまったのだ。





BREAKOVER×





強硬派全員 「「「「「・・・・・・だ 」」」」」



 ギャラリー「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



ヨウコ(・・・・すごい!・・あたしと戦ったときも本気だっていってたけどきっと無意識に力をセーブしてたんだ!



きっとこれが本気のルナさんの力!あたしがたどり着きたい場所!)



10秒以上の間を置いて、上空に舞い上がった強硬派のLBXがバラバラとフィールドに落ちてきた。



その残骸はすべてズタズタに切り裂かれおり修復可能なパーツがないことが一目見てわかるほどだった。



ル ナ「か・・・勝てた・・・はあ



      ルナはへなへなと地面にへたり込み動けない様子だった。



      あわててヨウコがルナのもとへ駆け寄り声を掛ける。



ヨウコ「やっぱりルナさんはすごいよ!一瞬で勝負を着けちゃうんだもん!!」



ル ナ「う・・うん・・・ありがと・・・ま・・また腰抜けちゃった・・・」



 ヨウコ+ルナ・・・・・?・・・・・・」



        ルナとヨウコは異変に気づいた。自分達の声以外誰の声もしていないのだ。



        周囲の生徒達も微動だにせず時間が止まったのではないかと錯覚したほどだった。



        ルナとヨウコは不安に駆られ無意識にお互いの手を握り合っていた。



        しばらくすると最初の一声が掛かった。



ギャラリーす・・・すごいぞ!石森ルナ!」ひとりがそう叫ぶとそこからは堰を切ったように音の大洪水になった。



      あるものは拍手を送り、あるものは口笛をならし、口々に賛辞の言葉を送った。



      そのすべてはこの広い中庭の中でルナただ一人に向けられていた。



      そこからは「ルナ」コールが起こり小さなヒロインの健闘を讃えた。



      コールの大きさに比例してルナは顔を真っ赤にして俯き、縮こまってしまった。



      コールが収まりかけた頃突然、強硬派の面々の一人がルナに向かってギャラリーにも聞こえるほどの声で言い放った。



強硬派Aさん「さすがは石森ルナさん!我がLBX部の副部長レイカさんを破っただけのことはありますね~(笑)」



 ヨウコ+ルナ・・・・・・・・・・・」



 ギャラリー「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



太 田!・・・・・・・・・・・・・



強硬派Aはへらへらと薄ら笑いを浮かべルナたちを見ていた。



ギャラリー達がざわざわとざわめきはじめ口々に何かを話し始めた。



    ヨウコ(・・・しまった!・・・あいつらの狙いはルナさんに勝つことじゃなくて・・でも・・・レイカさんのことは・・・・!・・・食堂の会話・・・聞かれていたのね・・・・くっ・・・)



    強硬派Aは、はじめからルナに勝つことが目的ではなく、ルナがレイカに勝ったという事実



    を可能な限り多くの人間に吹聴することが目的だったのだ。



    同好会とLBX部の対立は広く知られておりその同好会員であるルナがレイカに勝ったという事実はルナとレイカの良好な関係を知らない第三者からみればルナはレイカの敵ということになる。



    それを彼女への評価が最大限に高まったときに披露すればその高まった評価は反転し彼女への非難へと変わる。



    強硬派Aはあらかじめ学内掲示板にルナの強さへの期待感を煽る書き込みを行い、ギャラリーを増やし、その機会を窺っていたのだ。



    そしてその目論見は見事に的中したのだ。



 ギャラリー「「「「「「ざわ・・・・ざわ・・・ざわ・・・・・」」」」」」



      ギャラリー達の視線が祝福の暖かいものから次第に冷たく暗い非難のものへと変わろうと



していた。



ヨウコ「!」



    ルナが今にも泣き出しそうな顔でヨウコにしがみついてきた。



ヨウコ(そうだ・・・いくらバトルが強くったってルナさんは気が強い娘じゃない・・・いまは会長



もレイカさんもいないあたしが守らなきゃ!でもどうするこの状況を打開するには・・・・・ここにレイカさんが居れば・・・全部もう一度ひっくり返せるのに・・・・考えてる場合じゃない!)



ヨウコはルナを抱きしめながらCCMを操作しはじめた。内容はなかにわ るな たすけて



太 田!・・・・・・・・・・・・・



ヨウコ(間に合うかどうかわからないけどとにかく時間を稼ぐ!いまあたしにできるのはそれだけだ)



天にも祈る気持ちでレイカにメールを送信しヨウコは時間を稼ぐ方法を探っていると



太 田「くくく・・ふふふ・・・がははははははっはははははは!」



      突然、冷たいギャラリーの視線をかき消すような大音量で太田が笑い始めた。



ヨウコ「?」



 ギャラリー「「「「「「ざわ・・・・ざわ・・・ざわ・・・・・」」」」」」



      ギャラリーの視線もすべて太田に集まった。



太 田「いやー見事見事!完敗だ!さすがレイカとあいつがべた褒めしとったわけだ。」



 ヨウコ+ルナ・・・・・・・・・・・」



 ギャラリー「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



強硬派A 「



太 田「いやー!レイカがすごい新入生が入ったって喜んでたもんだから一度腕前を見



てみたくてナ!



レイカに内緒で申請を出して挑戦してみたが・・・いや見事見事!完敗だ!



道理であのレイカが「私のものだから手を出すな」っておっかない顔してたわけだ。がははははっはっは!」



 ヨウコ+ルナ・・・・・・・・・・・」



 ギャラリー「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



強硬派A 「



ギャラリー(女子)「「「「「「ざわ・レイカお姉さまが・・ざわ・私のもの・・・ざわ・・・ざわ・・・・・」」」」」」



ヨウコは一瞬、呆気にとられたが頭の中は冷静だった。



ヨウコまだ完全に事態が沈静化したわけじゃない・・・でもこれでなんとか時間が稼げる!)



ヨウコ「あのーおーたせんぱいはなんでそんなにれいかさんとしたしーんですか?」



    ヨウコは精一杯演技をしようとすると棒読みになるようだった。



太 田「ん!そうか!一年坊主のお前じゃ知らんのも無理ないか!



ワシはな!レイカといっしょにLBX部を立ち上げた創立メンバーの一人なんじゃ!かれこれ2年以上の付き合いになるがの!



人ってのは変われば変わるもんじゃのー!



あの引っ込み思案のレイカがいまじゃLBX部の副部長さまじゃからのー・・・がはははははははは!」



 ギャラリー「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



ヨウコ(え!この人伝説の創立メンバーなの?それにあのレイカさんが引っ込み思案?いやいやいまはそんなことより!)



    「あのーおーたせんぱいはさっきれいかさんと「あいつ」っていってましたけどあいつってだれのことですか?」



太 田「ん!あいつって言ったらあいつしかおらんじゃろう!ほれ!お前さんとこの



会長!セイジじゃ!そういえばワシあいつの苗字まだ知らんかったのー!



ま!特に困らんし!いいじゃろう!がはははは!」



ヨウコ(ここでまた会長!・・・やっぱりうちの会長は創立メンバーと見て間違いないみたいね・・・



じゃなくてえ~と次の質問は~え~とど・・どうしよう!もう聞くことないよー!)



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



太 田「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」



太 田「ん!そういえば!お前達はワシの後輩っちゅうことになるわけだな!いや!



粋が良くて結構結構!があっはははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははあはハアハアハアハア



ヨウコ(この人・・・ちょっと笑い長すぎない?息切れまでしてるし?・・・!!)



太 田「・・・・・・・・・・・・・・・・ニコッ!



ヨウコ( ! そうか!この人・・あたしの時間稼ぎを手伝ってくれてるんだ!!でもなんで?・・・



・・・いまは信じよう!創立メンバーの絆を!)



ヨウコ「おーたせんぱいはたしかにせんぱいですけど?」



太 田「ん!そうじゃ!おまえはワシの後輩じゃ!があっはははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははっはっははあっははっはっはっははっははあはははははははっはははははハアハアハアハアハアハアハハアハアハアハアハアハアハアハア



ヨウコ(息切れが長くなってるこの人の負担を少しでも軽くしないと!)



    「だってせんぱいっていってもいろいろあるじゃないですか~~~~~~~~



     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 がくねんがうえならぜんいんせんぱいだし~~~~~~~~~~~~~~~



いったい~~~ど~~ゆ~~いみの~~~せんぱいなんですか~~~~~~?」



ヨウコ(すーこーしーはー、かーせーげーたーかーなーはてな)



太 田「ん!そうか!あいつまだ話してないのか!しょうがない奴じゃのう!



これを見てみい!ホレ!」



その手には同好会の正会員証 ナンバーは03が握られていた。



 ヨウコ+ルナ・・・・・・・・・・・」



 ギャラリー「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



強硬派A



ヨウコ「え・・同好会の正会員証!



それってどういうことですか?だって太田先輩はLBX部の所属ですよね?



それが同好会の正会員ってそれっていったいどうゆうことなんですか?」



太 田「・・・・・・・・・・・・・・・・」



ヨウコ(しまった!素で質問しちゃった・・・・)



太 田「・・・・・・・・・・・・・・・・話せば・・・長くなるノー・・・・・・・・・・ニコッ



ヨウコ(やった!昔語りは話しが長いって相場が決まってる!これでなんとか・・・)



    そのとき静観を決め込んでいた強硬派Aが突然大声で言い放った。



強硬派A「裏切り者!」



ヨウコ+ルナ・・・・・・・・・・・」



 ギャラリー「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



太 田「!」



強硬派A「3年生だと思って従っていたがこのスパイめ



     おまえが同好会にLBX部が不利になるような情報を流していたんだな!



     LBX部の創立メンバーでありながらレイカ副部長を裏切るとは、見下げ果てた奴だ!



     それに同好会もロクな奴がいないな新入生を使ってレイカさんをだまして取り入って・・・



     おまえたちの会長っていうのは本当のクズだな!」



ヨウコ



太 田「!」



 ギャラリー「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」



ヨウコ「あ・・あんた・・あたしたちのことならまだしも・・・会長のことを・・なんていった!



強硬派A「ハッ!何度でもいってやるよ・・お前らの会長はクズだ!クズ!」



ル ナ「!ふざけないで!!(激怒)」



ヨウコ



太 田「!」



 ギャラリー「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



強硬派A「!」



    ルナは強硬派Aの方に無向かって歩き出しその目の前に立ちキッとその小さな体で睨みつけた。その背後には怒りに燃えた子ライオンが見えるようだった。



強硬派A「ひっ!」



ヨウコ



太 田「!」



 ギャラリー「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



    ルナの剣幕とその迫力に強硬派Aはその場に尻餅をついてしまった。





ちト・・・・・・hhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh



ル ナ「御崎先輩はわたしの命の恩人なの!



御崎先輩がいなかったらこうやって学校に通うことだってできなかった。



いまも病院のベットの上でなにもできずにいるはずだった!



あの人を侮辱する人はわたしが・・・・・・・・くっうううっ・・・・・・っ!



突然ルナが胸を押さえその場に倒れこんでしまった。



ヨウコ「ルナさん



太 田「!」



 ギャラリー「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



       ヨウコがルナに駆け寄り抱き起こすとその顔面はもともと色白の顔が真っ青になっていた。



突然の事態に中庭は騒然となった。



周囲がざわめきパニックになる寸前、凛とした声が中庭に響き渡った。



レイカ「落ち着きなさい!!」



   その一声で中庭は水を打ったように静まり返った。



ヨウコ「レイカさん



太 田「!」



 ギャラリー「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」



       レイカは全速力で駆けて来たのか息切れをしながらヨウコに言った。



レイカ「はあ・・・ごめんなさい先生に用事を頼まれていてメールに気づくのが遅れたの」



ヨウコ(・・・いまの私にできることは伝えること!)



   「ルナさんが大声を上げて怒って、そしたら胸を押さえて急に倒れこみました。」



    ヨウコはいま必要な情報だけを簡潔に伝えた。



    するとその後から恵子とゴーグルをつけ、白衣を着たセイジの声が掛かった。



恵 子「合格よ~上出来よ!今後もその調子でたのむわね~」



セイジ「はあ・・・前回の反省はちゃんと生きてる、よくやったよ砂山さん」



ヨウコ「恵子先生!会長!



 ギャラリー((((((((((・・・・・・あれが・・・会長・?・・・・・・・・・))))))))))



恵 子「すぐに容態を見るわ・・」



セイジ「!」



    ここから校内にあらたなひとつの伝説が生まれることになる。



   セイジは声を張り上げ、その場でもっともふさわしいものに的確に指示を与えていった。



セイジレイカ!



レイカ「ハイ!」



セイジ「ここにいるギャラリーの女子で周りを囲んで!男子は全員壁を向いて整列!おって状況の確認作業も頼む!」



レイカ「わかったわセイジ!」



 ギャラリー「「「「「「・・・あのレイカさんを・・・・使ってる・・・それにお互いに呼び捨てって・・・・・・・・・」」」」」」



セイジ太田!



セイジ「オウ!」



    これから玄関に救急車が来る!隊員ここまで誘導してくれ!



セイジ「オウ!」



    レイカはセイジの指示を受けると素早く中庭のギャラリー達に号令を掛け、ものの20秒で足らずで100人近いギャラリーたちを動かし終えてしまった。



    太田もその巨漢に似合わない動きで玄関へ素早く走り救急隊員たちを迅速に誘導した。



恵 子「うん・・・大丈夫・・極度の興奮でOP(オプティマ)に急激な不可が掛かって安全装置が働いたみたい・・・」



    恵子がルナのはだけた胸を合わせるセイジは着ていた白衣をルナに被せ、到着した担架 に乗せるためルナを両腕で抱えた。



    セイジはルナを担架にやさしく乗せ、その場を去っていった。



ギャラリー(女子)「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」



         その後レイカの指示の元、状況の聞き取りも迅速に済み20分ほどで解散となった。



         今回の件で直接的な原因を作った強硬派Aはかなり反省し、後日頭を丸めてルナへ直接謝



罪にいったとのことだった。



         太田については正式な手続きを踏んでいたこともあり、特にお咎めはなかったが後日レイカからの非常に熱心な?指導があったという噂がある。



         またその場で先程の太田の発言についてルナと良好な関係であることを認め、病気の件でLBX部に入部できなかった経緯を説明し、太田の同好会メンバー正会員の件は顧問をはじめレイカを含むLBX部3年生全員が承知していることを明かし、無用な混乱を招かないためとの説明がされ、みな納得をした。



                          □



    一夜明け、ルナは今病院のベットに寝ている。



隣にはお見舞いに訪れたヨウコ・ミチル・マキエ・サトミがいた。



ルナから明日から登校できると聞いた一同は胸をなでおろしていた。



また、学校でのその後の様子を一通り聞いたルナは笑顔を見せた。



ル ナ「よかった・・・全部丸く収まって。あの時はほんとにどうなるかと思ってたから・・」



マキエキュピーン!(☆ω☆)ルナさん♪聞いて!あの後ね学校にいっぱいの伝説ができたんだよ♪」



ル ナ「伝説?」



サトミ「やめなよマキエ!石森さんまだ入院中なんだから!」



マキエ「え~そんなことないよね~?ル・ナ・さんキュピーン!(☆ω☆)



ヨウコ+ルナ・・・・・(--ⅲ)(--ⅲ)」((尋問モード・・・・・))



マキエがいつもの尋問モードへの変身を完了する直前、ルナの病室のドアが開いた。



里 奈「あら・・学校のお友達?妹がいつもお世話になってます。」



    姉の里奈が会社帰りなのかパリッとしたスーツ姿で現われた。



一 同「「「「こ・・こんにちはこちらこそお世話になってます。」」」」



    ((((美!美人だ・・絵に描いたようなキャリアウーマン・・・))))



ル ナ「あ・・おねえちゃん!お仕事は?」



里 奈「この間、夜中に呼び出されたから今日は半日勤務なの・・・」



   マキエは瞬時に変身を完了し興味津々の顔でルナに話しかけた。



マキエキュピーン!(☆ω☆)ルナさん!この人がウ・ワ・サのお姉さん!すごい美人!」



里 奈「うふふ・・ありがとうお世辞でもうれしいわ。」



マキエキュピーン!(☆ω☆)と・こ・ろ・でお姉さん♪ルナさんがLBXに詳しいのはお姉さんが関係してるってウワサを聞いたんですけど♪」



ヨウコ+ルナ・・・・・(--ⅲ)(--ⅲ)この娘ほんとにどこから情報を仕入れてくるんだろう?)



里 奈「う~ん・・確かに私はタイニーオービットの研究開発室に勤めているけど・・・ルナにそんな大したことは教えてないと思うけど・・・ねえ」



ル ナ「うん・・そんな難しいことは、わたしじゃわからないし・・・たとえば・・」



マキエキュピーン!(☆ω☆)たとえば!」



ル ナ「・・必殺ファンクションのプログラミングとか・・・CCM制御伝達系の改造の仕方とか・・・



あ・・複数のCPUをばらして一個にまとめちゃう裏技なんかも習ったっけ?」



里 奈「うん・・そうね、でもルナのプログラミングは雑だから処理速度が2倍くらいしか上がら



なくて、結局最後は私に泣きついてくるのよね?」



一 同(((((・・・いや・・充分すごいでしょう・・・いもうとさん・・・))))))



    全員の思いを代弁するようにサトミが思わず口を開いた。



サトミ「あの・・・普通の中学1年生はプログラミングとかCPUの改造とか・・・・・・・・・できないとおもうんですけど・・・」



里奈+ルナ(え! えっ(--ⅲ)(--ⅲ))



      姉妹は顔を見合わせ自分達の認識のズレを指摘されかなり動揺していた。



里 奈「・・・そ・・そうだったの・・・私・・ルナができるから・・・てっきり・・・・私もル



ナくらいの時にはできていたし・・」



ル ナ「し・・知らなかった・・・わたしだけだったんだ・・御崎先輩はもっとすごいのやってた



からみんなもできるんだと思ってた・・・・・」



里奈は再びルナと暮らし始めてまだ日が浅く、中学生の勉強も少し難しくなった程度にし



か思っておらず、軟禁状態で数年過ごしてきておりかなり世間ズレをしていた。



そしてルナの方も入院生活が長く、一般の中学生と比較すれば完全に浦島太郎状態だった。



ただし頭の中身は完全に一般の中学1年生を追い抜いており2重の意味で浦島状態だった。



平均的一般中学生からそのズレを指摘され姉妹はショックを受けている様子だった。



里奈+ルナ・・・・・(--ⅲ)(--ⅲ))



一 同(((((・・・この二人・・間違いなく姉妹だ・・・しかも・・・天然・・・(--ⅲ)・))))



ヨウコ「・・・ルナさん・・・うちの会長を基準にされたらあたし達全員保育園からやり直しだよ・・・」



マキエキュピーン!(☆ω☆)会長!



ヨウコ(!しまった・・・)



マキエル・ナ・さ~んキュピーン!(☆ω☆)



ル ナ「な・・なあに?マキエさん・・・(--ⅲ)」



    ルナはその声音にかなりの不安を覚えつつもマキエの方を見ると・・・案の定その目から



    は「知りたいな~!教えてほしいな~!」というメッセージが流星のようにルナに向かっ



て降り注いできた。



マキエキュピーン!(☆ω☆)ルナさん!同好会の御崎セイジ先輩ってどんな人?どんなことでもいいの教えて!ね!ね!!」



ル ナ・・・・・(--ⅲ)この娘ほんと・・・以下略)



      ルナはマキエとは先日、知り合ったばかりだがあの尋問モードには若干恐怖しており、とり



      あえず知っている情報を問題のない範囲で答えてやり過ごそうと考えた。



ル ナ「え・・と会長は・・LBXの同好会会長で・・それから・・・LBXにすごく詳しくって・・・



     ・・プレイヤーとしてもすごくて・・・頭が良くって・・やさしくて・・・・でもとき



どきすごく怖くなる時があって・・・でもレイカさんもすごく信頼してて・・・・・・・・・・・



     ・・・ん~それくらい・・かな?」



マキエガーン!(-Д-ⅲ)それじゃあヨウコちゃんに聞いたのと全然おなじじゃない・・・グスッ



    マキエはすでにヨウコには「お願い」済みだったようでヨウコは横で疲れた顔をしていた。



ヨウコ「・・・・・・」



ル ナ「でもなんで御崎先輩のことそんなに知りたいの?」



ルナは素直に疑問を口にしてみた・・・すると・・・



マキエキュピーン!(☆ω☆)ウフフ・・ルナさん!これを見て!」



     うれしさを隠し切れないといった様子でマキエはカバンからファイルを取り出して開き、ルナに向かってそれをみせた。



どうやら学内ネットの掲示板のとあるスレッドを印刷したもののようだった。





実在した!ウワサの同好会会長の謎に迫る!!





ル ナ「!(-Д-ⅲ)」



マキエキュピーン!(☆ω☆)ウフフ・・ルナさん!驚いてるわね!いいわ~!」



    それからしばらくマキエの情報の嵐が狭い病室を吹き荒らした。



    話をまとめると、ルナを助けるため医師と思しき女性と会長は白衣を着て現われその場でレイカさんを含めた者たちに的確な指示を出し、風のように去っていったとのこと。



    同好会の存在自体は知られていたがその実態を知るものは居らず、名前だけが一人歩きを



している状態だった。



中にはその実在を疑う声もあった程だが、その同好会の中心人物が突然、目の前に現われ、



あのアテナを「レイカ」と呼び捨て、部下に命じるように指示をだし、レイカもそれに素



直に従っていた・・・その事実がこの会長とは何者?という疑問に変わり昨日の件の直後



には、このスレッドがたち、わずか数時間で10スレッドを超えていたというのだ。



あの状況で写真や画像をとっているものもなくウワサはウワサを呼んであっという間に校



内に広まってしまったというのだ。



    掲示板にはその場に居た生徒の証言や、会長が研究塔にはいっていくのを見た!



など、さまざまな書き込みがされたが、突然、掲示板に学校側からの警告文とともにその



スレッドが閲覧禁止処置になってしまったのだ。



同じような内容を扱ったスレッドも軒並み同じ処置を施され、最後は掲示板そのものが、



一時閉鎖になってしまったというのだ。



さらに今朝のホームルームではこの件について教師から「特定の個人のプライバシーを暴



くようなことはしないように!」とかなり厳しく指導が入ったとのことで同好会会員であ



るヨウコ、ルナ、太田への質問とその回答も固く禁じられた。



が、その程度で生徒達の好奇心が止むはずもなく、今日の休み時間と放課後はプレハブの



周囲をウワサの会長を一目見ようと生徒たちが取り囲みかなりの騒ぎになっていたという



のだ。



    結局会長は姿をみせず、生徒達は会長に合法的に会うことができる、同好会への入会希望



という手段に出たが、同好会は基本的に門戸を開いておらず、顧問の恵子先生がその厳し



い会則も含めて説明すると今度は校長室前で抗議の声をあげはじめた為、顧問の恵子先生



は学校側、理事会側と協議し、事態の収拾をつける意味で3日後の日曜に今回に限り一部



会則を緩和し、一斉入会試験を行う運びとなったそうだ。



 マキエキュピーン!(☆ω☆)ウフフ・・ルナさん!どお?すごいでしょ!」



     ル ナ「・・・・・・・(-Д-ⅲ)(・・・先輩・・・気の毒に・・・)」



マキエキュピーン!(☆ω☆)ウフフ・・ルナさん!そ・れ・に・ね♪」



     ル ナ「・・・・・・・(-Д-ⅲ)(・・・まだ何かあるの!?・・・)」



      ここで突然マキエ以外の面々がマキエを全員で押さえ込みに掛かった。



里奈+ルナ(!!



      がマキエはその華奢な体を翻しストライダーフレームのような素早い動きでひらりとそれをかわしてしまった。



ヨウコ「・・ま・・待って!・・・」



    ヨウコの叫びも空しくルナの前に学内ネットのとあるページが示された。



    そのタイトルは・・・・・





     アテナの聖域分室 シスタールナ 保護協会緊急連絡網構築委員会





ル ナ「・・・・・シスター・・・ルナ?・・・ルナって・・・わたしのこと?!」



        マキエ以外の面々は気まずそうにそれぞれルナに背を向けていた。



マキエキュピーン!(☆ω☆)ウフフ・・ルナさん!その通りよ!昨日の件のあとでレイカさんがみんなのまえでこういったそうなのよ♪」





レイカ「・・・みんなもわかったと思うけどあの子はハンデを抱えて学校に通っているの・・・



もし彼女が困っていたらぜひ助けてあげて頂戴、お願いするわ。



・・・あの子は、私にとってとても大切なものを守ってくれた恩人でもあるの・・・どうか私の妹だと思って接してあげて・・・・・・」





ル ナ「・・・・・レイカさん・・・・・



里 奈「・・・・・・・・・・・・・」



マキエキュピーン!(☆ω☆)ウフフ・・ルナさん!お姉さん!驚いてるわねっ!ああっ!快・感!」



その後のマキエの説明によると校内で生徒たちへの絶大な影響力を持つレイカに「恩人」



と言わしめ、その上「私の妹だと思って」との言葉に、学内の会員制サイトに存在してい



たレイカのファンクラブで最大の会員数を誇るアテナの聖域は素早く反応し、今日の朝に



はこのページが立ち上がっていたということだった。



このアテナの聖域の会則の特徴はレイカ本人に気づかれぬよう彼女をサポートしそれを決



して本人に悟られてはいけないという鉄の掟があった。



もちろん、彼女のプライバシーを暴くような行為や写真を載せるなど言語道断でその名前



をこのページ内の掲示板に書き込むことすら禁止とされる良識あるものだった。



(が、そのページのトップには絵心があるものが書いたと思われるその目元を隠すような



似顔絵が掲げられていたが)自分達は常にアテナの影であり決してアテナの前に姿を見せ



ることはない、アテナの望みを自分達の力の及ぶ限り叶えることを喜びとする。



という主旨であった。



そのアテナに「妹」といわしめた人物をこのちょっとカルトな宗教じみたこの集団が放っ



て置くはずもなく、ルナに昨日のようなことがないように学内ネットでの連絡網が整備さ



れ、他の大小のファンクラブもそれに同調し、それは校内全域どころか、一般区画をもカ



バーするほどの一大連絡網が一夜にして誕生してしまったのだ。



この連絡網は「アテナの妹の安全」のためだけに存在し、「二度とアテナの顔を曇らせる



な!」をスローガンにいまも拡大しつづけているという話だった。



この連絡網はあくまでルナの緊急時のみに使用を限定されるものでレイカ同様にプライバ



シーを遵守することが大きく掲げられているという話だった。



里奈+ルナ 「・・・・・(-Д-ⅲ)(-Д-ⅲ)・・・・・



一 同(((((・・・ルナさん・・・・・気の毒に・・・))))))



    里奈は勤めて平静を装い、顔の表情が固まったままの妹に言った。



里 奈「・・・ま・・まあ私としてもルナの安全も確保できるし・・・い・・一応良識はあるみた



いだし・・・よ・・・よかったじゃないの・・・ルナ・・・ね?」



里奈はかなり引きつった笑顔を妹に向けて言った。



ル ナ「!・・・・・・・(-Д-ⅲ)(れ・・レイカさん・・わたしちょっと・・・こまってます・・)



マキエキュピーン!(☆ω☆)ウフフ・・それにルナさん!聞いたわよ!5体のLBXを相手に一瞬でそれを倒しちゃったんですってね?」



ヨウコ「・・・・確かにあれはすごかったよ・・・強いとは分かってたけど・・・」



マキエキュピーン!(☆ω☆)ウフフ・・ルナさん!それだけ強いんだもの♪きっとすごい師匠が居るのね?・・!もしかして!・・・おねえさんが師匠ですか?」



ル ナ「!・・・・・・・・・・・」



マキエ以外の一同(((((・・!?・・・))))))



里 奈「!・・・・・いいえ。 私・・バトルはあまり・・・」



ヨウコ(そうだ・・・いままで考えもしなかったけど・・・いくらなんだってルナさん一人であんなに強くなれるわけない・・・だれかルナさんにLBXバトルを教えた人がいると考えるのが自然だ・・・・)



    ヨウコはルナの微妙な表情の変化に気づいていた、周りをみるとマキエを除く全員がその変化を敏感に感じ取っていた。



ルナは懐かしい昔を思い出すように遠い目をし、その瞳の奥にはあきらかな悲しみの色が浮かんでいた。



    ここで「ぐえっ!!」という苦悶の声がマキエから洩れた。



    気配を消したミチルがマキエに後からヘッドロックを掛け羽交い絞めにしたのだ。



    ミチルは素早くヨウコとサトミにアイコンタクトをし、二人は何も言わず里奈に一礼すると二人でミチルのヘッドロックを引き継ぎそのままマキエを抱え病室を跡にした。



    残ったミチルも里奈に一礼すると去り際にルナにこういい残して病室を後にした。



ミチル「・・・・マキエに悪気はない・・・許してあげて・・・でもヨウコにはいつか話してあげて・・あなたの気持ちの整理がついたら・・・ヨウコを心から信頼できるときがきたら・・・じゃ・・・また明日学校で・・・」



ル ナ「・・・・・・・・うんまた明日・・学校で」



    ミチルが病室を出た後、里奈は幸せそうな顔の妹を見ながら言った。



里 奈「・・・・・いいお友達ができたわね・・ルナ」



ル ナ「うん」



    ルナは心からの笑顔でそう答えた。

ダンボール戦機2次創作小説SS⑨

午前中の授業が終わり、昼休みになると今日は、ルナさん・ミチに数名のクラス女子



を加えて昼食を取ることになった。



会話は弾み、噂好きの自称情報通のマキエが新たな話題を提供してきた。



マキエ「ねえ・・こんな噂知ってる?黒い幽霊の話」



ヨウコ「い!」



一 同「「「「「・・・?・・・」」」」」」



    マキエはまだ誰も知らない情報であると見るや得意になって話し始めた。



その内容はこうだ・・・



校内でLBXバトルを行っていると黒い小さな幽霊がそのフィールドに突然現われて



バトル中のLBXをすべてブレイクオーバーさせてしまうというものだった。



しかも、その幽霊には攻撃がまったく当たらずその止めの刺し方は必ず相手のLBXの首をはねるというエグイものだというのだ。



ヨウコ「・・・・・・」



一 同「「「「「・・・・・ゴクリ・・・」」」」」」



    だがなぜか首をはねられるLBXは決まって未登録LBX・・つまりアウトローのものに限られるというのだ。



    そして正規の登録が行われているLBXはなにもされない・・これが話の概要だった。



マキエ「ねえ・・みんないま話した以上の情報ってもってない?ワタシ気になっちゃって昨日もなかなか寝付けなかったんだ。」



サトミ「なに言ってんの・・マキエ、昨日は8時にはすっかり寝こけてたじゃない・・・」



ルームメイトのサトミがすかさずツッコミを入れてきた。



マキエ「こ・・細かいことはどうでもいいのよ!で・・・みんな・・どう?」



一 同「「「「「・・・・・??・・・」」」」」」



    皆が顔を見合わせて首をかしげているなか、一人だけ視線を逸らしているヨウコの姿を



    マキエは見逃さなかった。



マキエ「(キュピーン(☆ω☆))ヨ・ウ・コ・サン♪あなた・・・何か知ってるわね?」



    マキエはヨウコの背後からその顔を耳元に近づけそっとお願いを始めた。



サトミ(でた・・・マキエの尋問モード)



    それから10分程ヨウコに対する「お願い」という名の尋問が行われた。



ときに言葉の鞭を、ときにデラックスショートケーキをとあの手この手で情報を引き出し



ていた。



一 同「「「「「・・・・・(ヨウコ{砂山さん}気の毒に・・・)・・・」」」」」」



結局最後はデラックスショートの魔力に屈してヨウコはしぶしぶ自分のCCMをテーブル



に備え付けのディスプレイに接続し、先日のバトルの記録映像を写した。



一 同「「「「「・・・・・!!!・・・」」」」」」



マキエ「(キュピーン!(☆ω☆)



    ヨウコはショートケーキを頬張りながら、なにか悪魔に魂を売り渡してしまったような妙な罪悪感に囚われていた。



マキエ「(キュピーン!(☆ω☆)す・・すごい!バッチリ写ってるじゃない!やっぱり噂は本当だったのね!すごいわ!ワタシ!」



サトミ「なに言ってんの・・別にあんたはすごくないでしょ・・・それよりヨウコ・・・これって



いったい?」



    ヨウコは3バカたちや各下の件は伏せながら掻い摘んで状況を説明した。



ちょうど黒い幽霊が消えるシーンになりその映像を見た一同が静まり返る中、普段口数の少ないルナがヨウコの袖を引っ張って何かを訴え始めた。



マキエ「(キュピーン!)(☆ω☆)す・・すごい!やっぱり黒い幽霊はLBXの亡霊だったのね♪☆」



ル ナ              違う!



一 同「「「「「・・・・・!!!・・・」」」」」」



ヨウコ「・・・・・・・・」



    普段物静かなルナからは想像できないようなハッキリとした声で断定的に告げられた言葉に一同は一瞬あっけにとられてしまった。



ル ナ「あ・・その・・ごめんなさい・・・でも・・・これ幽霊じゃない!」



マキエ「・・・・・・・」



サトミ「・・・ルナさん、何か分かったのね・・・私たちにも分かるように教えてくれる?」



    そこからは5分程のルナによる映像の解析と説明が行われた。



ル ナ「あ・・そこでストップ・・えと・・・まずこの場面で幽霊に砲弾が当たらないように見えるけどそれは違うの・・・実際には背面に構えたこの杖で砲弾の軌道をずらして直撃を避けているの・・・」



    コマ送りにしてみると一瞬で砲弾の背面から噴出する煙が直角にずれているのがわかる。



マキエ「!・・ほ・・本当だ!」



    さらに幽霊のつけているマントが不自然な方向に何度もなびいているのが見えた。



ル ナ「あの・・幽霊が杖を後に構えているのはその攻撃の軌道を相手に読まれないようにするためで普通の人にはマントがなびいているようにしか見えないけど・・でも本当はものすごいスピードで腕が動いていて砲弾の軌道を全部変えているの。



それに沢山砲弾が降ってきていて分かりにくいけど幽霊に直撃する砲弾はさっき数えたときたった3発だけ・・・幽霊も3度手を動かしただけであとは爆風に巻き込まれないようにしていただけ・・」



一 同「「「「「・・・・・・・・」」」」」」



ヨウコ(・・・・・・・普通のひと・・か



映像はつづき、最後の幽霊が消えるシーンになった。



ル ナ「ストップ・・えと・・・このシーンで重要なのは影なの・・・・」



サトミ「・・・影?・・・」



ル ナ「ここよ・・よく見ていて・・・」



    一同はルナが指差す場所を食い入るように見つめた。



サトミ「・・・!影が・・ゆっくり動いてる?」



ル ナ「わたしもはじめはちょっと信じられなかったけどこれは「インビジブル」なの・・・」



ヨウコインビジブルってあのマッドドッグだけが使えるっていう?」



一 同「「「「「・・・?・・・」」」」」」



    ヨウコからLBXの知識がない者へインビジブルに関する説明がされるとサトミから質問が来た。



サトミ「いまのヨウコの話だとそのインビジブルって技はマッドドッグっていうLBXしか使えな



いんでしょ?・・・この幽霊ってたしか・・」



ル ナ「ナイトメア・・ドレスアップパーツで多少見た目は変わっているけど・・間違いないわ。



・・・ここでわたしにもどうしても分からないことがあるの・・・」



マキエ「ルナさんにも分からないこと?」



ル ナ「ナイトメアはストライダーフレーム マッドドックはワイルドフレームいろいろ違いはあるけどここで重要なのはその大きさなの・・。」



一 同「「「「「・・・・・・」」」」」」



ル ナ「マッドドックに搭載されているインビジブルを発生させる装置はコアボックスではなくあらかじめアーマーフレーム全体に組み込まれているものなの・・・問題になるのはその大きさ・・・・細身のストライダーフレームにそのインビジブル発生装置を組み込むスペースなんてあるはずがないの・・・でも・・・この幽霊はそれを実現してる・・・」



サトミ「・・・可能性があるとするなら・・・この幽霊はアーマーフレームに超小型のインビジブル発生装置を搭載しているってことになるのかな?」   



    ルナはうなずきつつも言葉を続けた。



ル ナ「・・でもそんな発表はマッドドックの製造メーカーのサイバーランス社からはされたことないし・・・ハンドメイドで作ったなんて話も聞いたことないの・・・」



ル ナ「もしそんなものがあったとしたら・・・たぶん・・このドレスアップパーツに見えるものすべてが・・・・・?みんな・・・どうしたの?」



 一 同「「「「「・・・・・・」」」」」」



     しばらくの沈黙が続いたが・・・突然マキエがその瞳を輝かせてルナに言った。



マキエキュピーン!(☆ω☆)ルナさん・・すごい!あの映像を一回見ただけでそこまで分かっちゃうなんて!なんだか探偵みたいだった!キュピーン!(☆ω☆)キュピーン!(☆ω☆)



サトミ「うん!ほんとにすごいよ!LBXのことはよくわからないけどプレイヤーとして相当な腕前がないとあんなのを見抜けるわけないのはわかる!」



ミチル「っ・・・かなり驚愕!きのうヨーコがワタシより早起きだったことくらい・・・・・あれ?」



ヨウコのツッコミ待ちをしていたミチルはリアクションがないことに少し焦っていた。



ヨウコ「・・・・・・・・・ほんと・・・すごいよね・・・ほんとに・・・」



ル ナ「・・・砂山さん?・・・」



ヨウコ「・・・・あたし・・あの場にいたのに・・なんにもわかんなかった・・ただ黒い幽霊がきて・・助けてくれた・・・それだけしか・・・」



ル ナ「・・・・・あ・・あの・」



ヨウコ「・・・・ルナさんじゃ・・ないんだよね・・・あの黒い幽霊・・・あたしてっきり・・



あなたなんじゃないかと思ってて・・・でも・・・ルナさんはその幽霊の正体をあそこまで見破っちゃって・・・やっぱりすごいよ・・・あたしなんか・・ほんと普通の人だよね」



ミチル「・・・・・・。」



    ここでミチルはサトミとマキエの二人に目配せをしてそっとその場を離れた。



ル ナ「・・・・・あ・・あの・」



ミチル「・・・・・・。」



    ミチルの目がルナにヨウコをお願いと訴えていた。



ル ナ「・・・・・(コクッ)



    ルナはミチルの声なき声に軽い首肯で答えた



ル ナ「・・・そんなことない・・・砂山さんは強いわ」



ヨウコ「・・・・ウソ・・・」



ル ナ「・・・ほんとよ・・・・・わたし・・砂山さんにあやまらなくちゃいけないことがあるの・・・」



ヨウコ「・・・?・・・」



ル ナ「・・・わたし・・・砂山さんがアウトローに囲まれてたあのバトル・・・途中まで見







ていたの・・・」



ヨウコ「・・え?・・」



ルナは目を伏せながら話しはじめた。



ル ナ「わたし・・あの時・・・ただ見ていることしかできなかった・・・誰かを呼びにいくことだってできたはずなのに・・・・・・



    あのとき・・・わたしはなにもできなかった・・・・・・怖くて・・足がすくんで・・・結局・・・教室から追い出されて・・唯一できたことはあの誰もいない廊下から逃げ出すこと・・・・・それだけ・・・・



    でも砂山さんはわたしとはちがう・・・どんなに大勢に囲まれても絶対に逃げなかった・・・



    あきらめなかった・・・・わたし・・あのときこう思ってた・・絶対に無理だって・・・・



    でも・・・わたしが逃げ出してからも・・・砂山さんは・・逃げなかった・・・



    わたし・・・砂山さんみたいになりたいって思った・・あなたの隣に並びたてるようになりたいって思ったの・・・・・そしたら・・・御崎先輩がわたしに声を掛けてくれて・・・・



    同好会の試験を受けて・・・でも・・・わたしまだ・・あなたの隣に立てない・・・



    ぜんぜんあなたに追いつけない・・・それどころか・・・あなたはどんどん強くなってる



    ・・・・わたしがどんなに全力で攻撃してもあきらめずに立ち向かってきた・・・・



    それに分身も見破られちゃったし・・・・肩に攻撃が掠ったときわたし・・・とっても怖かった・・・どんどんあなたに置いていかれそうで・・・追い抜かれそうで・・・・・・・



・・それで思わず必殺技を・・・・だから・・・・弱いのは・・わたしよ・・・それと・・・」



ヨウコ「 ? 」



ル ナ「わたし・・いまはあなたに謝れない・・・その資格だってない・・・でもいつか・・・わたしがあなたの隣に立つことができたら・・・そのときいっぱい謝るから・・・・・・もう少し・・・待っててほしいの・・・話しは・・・これだけ・・・・・・・・」



ヨウコ「・・・・・・・」



ヨウコ「・・・・あたし・・あなたにそんな風に言ってもらう資格なんてない・・・



     ・・・・成績優秀でLBXプレイヤーとしても一流のあなたみたいに人に謝ってもらう



資格・・・ないよ・・・・・・・・・・・



・・・だって・・・あたしは逃げ出したんだもん・・・・勉強からも・・・LBXからも・・・・」



ル ナ「 ? 」



ヨウコ「あたし・・・・ほんのひと月ほど前まではLBX部にいたんだ・・・・・でも・・・あの日・・・あたし・・耐え切れなくなったんだ・・・・自由にLBXを触ることすらできないことに・・・・・・



    何とか入部試験に受かって・・・・それからは毎日毎日基礎体力づくりのメニューばっかり・・・やっとLBXに触れると思ったら今度は学年順位で振り分けられて・・・・小等部からLBXクラブでずっといっしょだった仲間達もどんどんやめていって・・・結局残



ったのは50人だったのが最後は半分以下・・・勉強するの嫌いじゃないけど成績悪い奴はLBXさわってもだめっていうのがどうしても合わなくて・・・ちっとも楽しいと思えなくて・・・・あたしはLBXはもちろん好きだけどみんなで楽しく遊べるのが目的ってところがあったから・・・・どうせ一般区画のお店で遊べればいいやって・・・それで退部届けだしてやめちゃったんだ・・・・



    それからは一般区画にあるホビーショップで遊ぶようになったんだけど・・・・しばらくしてお店・・・引っ越しちゃったんだよね・・・・一般区画に他にLBX扱っている店はないし、一般区画外に出るには外出許可がいるけどそんなに頻繁に許可くれるわけないし・・・・・・そんなとき手紙が届いたんだ・・・・アウトローからの招待状だった・・・・もし入会する気があるなら○月×日中央噴水Aのブロックをはずせって・・・そこにパスワード入りのメモリーカードが入ってるって・・・・・・それであたしその日・・・・いったんだ・・・・噴水に・・・・・でもそのAのブロックがあるところにちょうど人が座ってて・・・・・・・・・・・・・・それが会長だったんだ・・・・・・



それから1時間・・・・2時間たっても会長は動こうとしなくて・・・・それで・・・・しょうがなくて声を掛けたんだ・・・・そしたら・・・会長・・・・その時言ったんだ・・



・・・「本当にそれでいいの?」って・・・・・・あたしすごくびっくりして・・・・



でも会長ってああいう感じでしょ・・・・だから・・それまでのこと・・・全部話しちゃって・・・・そしたら・・・2年前のLBX部創立のときのレイカさんの話をしてくれて・・・・



自分が駄々をこねてる子供なんだって思い知ったんだ・・・・・・・あたしはレイカさん達が一生懸命敷いてくれたレールを壊そうとしてたんだって・・・・



やめていったクラブ時代の仲間達も全員、他の部活に入ってがんばってて・・・結局あたしだけ・・・ひとりぼっちで・・・レイカさんの話を聞いた後じゃアウトローになるのもLBX部戻るのもありえなくて・・・・・どうにもならなくて泣いてたら会長が・・・・・



・・・「試験受けてみる?」っていってくれたんだ。



・・・結局試験は赤点・・・不合格・・・・でも会長と顧問の恵子先生の一存で仮入会ってことで同好会には入れてもらえて・・・・でも内容は体力づくりなんかがないだけでLBX部よりハードで・・・・・・知ってるよね・・・」



ル ナ「・・・・・(コクッ)



    LBX同好会会則



     同好会会員の成績は常に学年順位10位以内であることとする。



この条件を満たさないものは即退会処分とする。



     10位以内に同点のものがいる場合、10位以下でも繰り上げとする。



     同好会会員は校則に反しない限り緊急時以外、試合の条件にかかわらずその申し出は必



ず受けることとする。



この条件を満たさないものは即退会処分とする。



     同好会会員は半年に一度自らの研究の成果を顧問及び会長に提出の義務を持つ。



この条件を満たさないものは即退会処分とする。



     上記研究成果が同好会会員レベルに達していないと判断された場合



会員必要条件を満たさないものとし即退会処分とする。



     同好会会員として不適当な行動を行ったと判断された場合



会員必要条件を満たさないものとし即退会処分とする。



     特例として特筆した才能を有していると顧問及び会長が認めた場合に限り上記条件を満たさないものでも退会処分保留とすることができる。またこの場合該当者は仮入会扱いとする。また、仮入会となったものは顧問および会長の定めた課題へ取り組む義務を持ち、それを満たせない場合は即退会処分とする。



ヨウコ「あたしが同好会に居られるのは会長のお情けがあったから・・・・LBX部をやめたのは全部あたしの身勝手・・・・・・ほんとだったらあたし・・・LBXを触る資格だってない・・・・今も歯を食いしばってLBX部でがんばってる人たちに比べたら・・・・・・・・・



・・・・・そんなときあなたが同好会に入ってきて・・・・・・・・すごく強くて・・・・



レイカさんにも勝っちゃって・・・正会員で・・・・・だから・・・いまのあたし・・・・



あなたにそんな風にいってもらえるような価値なんてないよ・・・それだけ・・・・・・」



ヨウコ「・・・・・・・」



ル ナ「・・・・・・・」



気まずい沈黙がつづきお互いにどう声を掛けようか考えあぐねていると数人の女子のすすり泣く声が聞こえてきた。



ヨウコ+ルナ・・・・・(--ⅲ)(--ⅲ)



横を振り向くと滝のような涙を浮かべたミチル・サトミ・マキエが隣の席との仕切り越しに顔を覗かせていた。



マキエ「えぐっ・・二人ともわるくないよ・・えぐっ・・ぜったいだよ・・・ひくっ・・・」



サトミ「うん・・でも二人ともえらいよ!・・自分の間違いをちゃんと認めてその上でもっと上に進もうとしてるんだもん・・・グスっ!」



ミチル「・・・・・・かなり感動!!・・いつもゴミは置きっぱなし・・洗濯物もパンツまで脱ぎっぱなし・・・掃除をしても道具を放りっぱなしのヨーコがそんなこと考えてたなんて・・・・



それに存在感薄くてなに考えてるのか分かりにくいルナさんがヨーコのことをそんなにかんがえてたなんて・・・・ぐしゅっ!」



ヨウコ+ルナ(--ⅲ)(ぴきっ)(--ⅲ)・・・)



ヨウコはテーブルにあったCCMをそっと操作して3人の写真を取った。



すると授業開始10分前の予鈴がなり、3人は顔に涙を張り付かせながら教室へ向かっていった。



ヨウコは先程の写真にタイトルをつけ学内ネットの写真投稿掲示板にアップした。



ルナは伏目がちに一人でブツブツとなにかをつぶやいている。



ここでヨウコがルナの手を取りこう言った。



ヨウコ「・・・・行こうか・・・」



ル ナ「・・・うん・・・・」



    二人は心に無用なダメージを追いつつ教室に向かっていった。



    だがその手はしっかりとお互いを握り締めていた。



    食堂からその二人の姿を見送るものがいた・・・・



彼はCCMを取り出しメールを打ち送信した・・・その内容は・・・





アテナが敗北、相手は1-A「石森 ルナ」同好会正会員





メールを打ち終わった彼は軽い笑みを浮かべながら教室へ向かい歩き出した。





ダンボール戦機二次創作小説SS⑧

ふと視線を周囲に戻すとレイカさんが頭をさすりながらうずくまり、会長はうつぶせにな



     って倒れたままピクリとも動かない。



ヨウコ(・・・い・・痛そ~・・ってなに冷静に見てるのよ!あたし!)



あたしはすぐにレイカさんに駆け寄り声を掛けた。



ヨウコ「あ・・あの・・レイカさ・・・ひっ!」



あたしは思わず口を手で押さえ悲鳴を押し殺した。



そこには今朝の保健室でみた以上の満面の作り笑顔で横たわる会長を見つめるレイカさんがいた。



だが、その目はまるで獲物を前にしたライオンのように鋭かった。



あたしは自分の荷物をすぐにまとめ、「お疲れ様でした!明日もお願いします!」と叫び、



一目散に自分の部屋がある寮へ逃げ帰った。



寮の3階へ駆け上がり、自室のドアを勢いよく閉めるとその音に気づいたミチルがドアの前で腰を抜かしているあたしを見て何事かと駆け寄ってきた



ミチル「ヨーコ!どうしたの?大丈夫?」



そのとき、遠くの方から窓越しでも聞こえる会長の悲鳴が聞こえてきた。



ミチル「!・・なに?今の悲鳴?男子の声みたいだったけど・・・」



    あたしは思わずミチにしがみつき・・・・



ヨウコ「・・・・・なんでもないの・・・なんでも・・・・」



    震えが止まらないあたしをミチはだまって抱きしめてくれていた。









セイジの研究室ではルナのデータ採取が終わろうとしていた。



ルナは恵子からしっかりとお小言をいただき、かなりへこんだ様子だった。



そこにライオンにでも襲われたかのような体中にあざや引っかきキズを負ったセイジが入ってきた。



ル ナ「キャッ!」



その姿をみたルナが小さく悲鳴をあげた。



恵子はその様子を見て小さくため息をついてから、だまってセイジの怪我を治療し始めた。



セイジ「・・その・・・ごめん・・恵子さん・・」



恵子はまたひとつため息をつきながら、答えた。



セイジ「ま・・あなたがこんな少年らしいところを見せてくれたから今日はかんべんしてあげる・・・セッカンはきっちり受けてきたみたいだしねー。」



セイジ「・・・・・・・・。」



    帰り支度をしながらルナはその二人の様子を年の離れた姉弟のようだと思った。



    セイジの治療も終わりルナはセイジに付き添われ、いつもの分厚いドアから地上へ出て自分のアパートに戻っていった。



「・・・ただいま・・おねえちゃん・・」





 日課になっているぬるめの湯に浸かりながら私は今日の出来事を振り返っていた。



レイカ(はあ・・・・・もう・・・さいあくの一日・・・・・セイジのばか・・・)



朝からいきなり電話をかけてきたと思ったら、



すぐに同好会室に向かって欲しい!事情はメールで送るから・・頼む・・



キミじゃないとだめなんだ!」



・・・メールを読んで慌てて着替えて同好会室に向かって・・・砂山さんはかわいそうだったわね・・・



それにしてもなにが



「あ・・その・・一件落着で・・・いい・・みたいだね・・いや・・よかったよかった・・」よ!



おまけにルナさんのデータ採取も忘れて恵子先生に叱られて、とんだとばっちりじゃない!



・・・・まあ今回のお詫びにって今度の日曜にアキハバラのパーツショップ巡りを約束させたし・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・・・これってもしかして・・・・・デー・・・・・!



レイカの顔が瞬間的に赤くなり、レイカは頭まで湯の中に使った。



レイカ (・・・・・・・・・・・・・・・・ばか・・・・・・。) 





あたしはベットに横になりながら今日の出来事を振り返っていた。



ヨウコ(ここ2日間はなんだかジェットコースターにでも乗ってるみたいなかんじだなー



午前中はルナさんのことでいっぱいいっぱいだったし午後の締めは会長の悲鳴で・・・)ヨウコはブルッと身震いをして布団を頭まで被った。



光のない布団の闇の中でヨウコは少し冷静になって考えてみようと思い今日の出来事を頭の中で整理しはじめた。



ヨウコまずはルナさん関連



     ルナさんは持病があり激しい運動などはできない。



     ルナさんのLBXはナイトメア・・・(あ・・・黒い幽霊の事すっかり忘れてた・・ま・・いいか)



     ルナさんのLBXバトルの実力はレイカさんと同等かそれ以上・・・(・は・・・)



     ルナさんのおねえさんはあのタイニーオービットの研究開発室に勤めてる・・・(すご!)



     ルナさんは同好会の正会員、試験は95点・・・(涙)



次は会長とレイカさん関連



いろいろ被りそうだから一緒にしてみよ・・・



①会長とレイカさんは知り合いだった。・・・(あれ?そういえば・・・レイカさんって会長のことセイジって・・・・会長もレイカさんをレイカって呼び捨てに・・・・あたし、この校内でレイカさんを呼び捨てにしてる人ってレイカさんと同じ3年の人でも見たことも聞いたこともない・・・・・それに今選手権のことでLBX部ともめてるのにその副部長のレイカさんと会長が?・・会長・・・底知れない人だわ・・・)



②レイカさんのクイーンは本来のLBXではなく、会長はレイカさんの本来のLBXを知っている・・・(レイカさん・・なんで使わないんだろう?会長はその理由も知っている感じだったし・・・付き合いが長いってこと?)



③会長は朝一番にレイカさんを電話で呼び出せるほど親しい・・・(え?)



③レイカさんは怒ると・・・(やめよう・・・眠れなくなる・・・・)



???・・・・・あたしは大分、頭の整理ができてきたのかいくつもの疑問がわきあがってきた。



会長とレイカさんっていつ知り合ったんだろう?いくらなんでも選手権のことで話し合ってからって感じじゃない・・・会長も編入生っていってたから2年前・・・くらい・・・これなら辻褄が合うけど・・・男子と親しくなるって・・・恋人・・・って感じでもないし・・・でもレイカさん・・会長のこと信頼してるって感じ・・・2年前・・・そうか!!LBX部の創立! 



これならしっくり来る!



もし会長がLBX部の創立に関わっているならレイカさんと親しいのも頷けるし、全部つながる・・・でも・・・なんで会長のいる同好会とレイカさんのLBX部は選手権の出場で揉める事になるんだろ?・・・それになんで部の創立にまで関わった人が別に部活をつくったのかな?・・・会長とレイカさんの感じを見てると協力する姿は想像できるけど争ってる姿って・・・・・・・・)



セイジの悲鳴を思い出し、ヨウコはブルッとふたたび身震いをして目を閉じた。



(やめよ・・・あたしみたいな新入生の考えることじゃない・・よ・・・ね・・・・)



     ・・眠りについたヨウコの脳裏に今朝のシャワーの光景が浮かんできた・・・・





翌朝、昨日の遅刻を反省し、朝練のヨウコを起こそうと布団をめくったミチルはその顔を見て驚いた、ヨウコの顔は恍惚の表情のまま、鼻血で真っ赤に染まっていた。





        ルナは目覚ましの音で目を覚ました。時刻は現在5時30分。



         眠い目を擦りながら登校の準備を始める。



         リビングのテーブルを見るとメモと朝食が用意してあった。



おねえちゃんは昨日夜遅くに仕事で出かけたようだった。



おねえちゃんが用意しておいてくれた朝食を食べ、シャワーを浴びてから身支度を整え、校舎へ向かい歩き出すと途中、他の部活に向かうクラスメイトとあいさつを交わしながら同好会室に向かう。



時刻は現在6時30分、プレハブの前に来るとすでに御崎先輩がパソコンに向かって仕事をしているのが見えた。



わたしは御崎先輩にあいさつをした。



ル ナ「おはようございます。御崎先輩。」



セイジ・・ああ・・おはよう・・早いね・・ルナちゃん



    振り返った先輩の顔は若干クマができており元気もなかった。



ル ナ「あの・・もしかして寝てないんですか?」



セイジ「・・うん・・なんとかこれを今週中に仕上げて置きたくてね・・・



わたしは先輩が何を作っているのか興味が湧き尋ねると、



セイジ「これかい・・・LBXの制御プログラムなんだ・・うん・・」



わたしはさらに質問を重ねた、



ル ナ「制御プログラムって・・・あのCPUに入ってる?」



セイジ「・・うん・・市販のものじゃ複数搭載してもぼくのLBXは満足に動かないらしくてね・・・しょうがないから自分で作ってるんだ。」



御崎先輩のパソコンデスクの横に目をやると、パソコンにつながれた、LBX用の小型量



子CPUが目に付いた。



ルナは一度も見たことのないタイプのCPUだった。



まだ御崎先輩とはバトルしたことないけどどんなLBXを使うのか興味が沸いてきた。



ル ナ「あの先輩のLBXってどんなタイプなんですか?」



セイジ「ん・・ナイトフレームになる予定だよ・・・一応・・・。」



ル ナ「予定?・・・もしかしてハンドメイドですか?」



セイジ「うん・・・まだ未完成なんだ・・・バーチャルLBXにはしてあるけど、それを



現実にしようとするとなかなかハードルが高くてね・・・うん」



ル ナ「じゃあ、先輩はいま、自分のLBXを持ってないんですか?」



セイジ「いや・・データ採取用に作った試作品があるんだけどそれを使ってるよ・・・・



性能は目指してる完成品に比べるとかなり見劣りするし・・ちょっとためしにバトルして



見るかい?」



わたしは会長の実力とどんなLBXなのか確かめたい気持ちを抑えられずそのバトルを受



けることにした。





時刻は朝7時少し前、砂山ヨウコがプレハブのドアを開け、あいさつをしてきた



ヨウコ「おはようございます会長、」



    あたしがあいさつをすると二人が交互に声を掛けてきた。



セイジおはよう砂山さん。



ル ナ「・・・おはようございます・・砂山さん。」



ヨウコ「おはよう♪ルナさ・・・!」



ヨウコはルナの手元の光景に釘付けになった。



昨日あたしのクノイチが手も足もでなかったルナさんのナイトメアがブレイクオーバーして、ルナさんのメンテナンスを受けていたのだ。



そのあたしの視線に気が付いたルナさんが伏目がちにこういった。



ル ナ「・・・その・・負けちゃった・・」



    ルナさんの視線はパソコンに向かって作業している会長に向けられた。



あたしは朝のぼんやりしていた頭が一気に覚めるのを感じた。



ヨウコ (あんなに強いルナさんが負けるなんて・・・いったい・・・・)



    あたしは自分はその答えが自分の目の前にあるのをためらいつつも認めていた。



ヨウコ「・・・・・・会長



セイジ♪♪~~ん・・・呼んだ?



    振り返った会長は、目にクマを作り、やや疲れた様子であたしの方を見た。



ヨウコ「・・・い・・いえ・・なんでもないです。」



セイジん・・・そう?



    会長は再び作業に没頭し始めた。



ヨウコ(・・・会長のLBXの知識量や技術レベルの高さから見てから、なんとなく想像はしてた



けど・・・・たぶん会長はLBXプレイヤーとしても普通のプレイヤーから頭一つ飛び出



してる・・それだけじゃない・・・デスクに置かれた資料や本も私では読むことすらでき



ないような外国語で書かれた難解なLBX工学・医療工学・etc・・・それを私たちが



教科書でも読むように平然と読み、使いこなしている・・あたしと二歳しか違わないのに・・)



ヨウコの頭に一つの単語が浮かんだ・・・凡人の努力や才能では決して届かない天から与えられた生まれつきの才を持ったもの達・・・「天才」・・・



ヨウコ(・・・あたし・・・会長と知り合えたのって・・・・たぶんすごい強運だったんだ・・・



    この人から得られるものはたぶん私が一人で何年努力しても到底たどりつけないぐらい大きいものになる・・・「凡人」のあたしがどこまでいけるか・・・・それに・・ルナさんも・・



まだ知り合ったばかりだけれどきっと彼女の隣が・・あたしのたどりつきたい場所だ・・・)



ヨウコが心にひそかな決意をしていると、頭部への軽いノックが彼女を現実に引き戻した。



ヨウコ「あたっ・・・。」



セイジ・・・メンテナンス・・・まだでしょ?・・・」



ヨウコ「あ・・はい!すいません!すぐはじめます!」



    あたしはルナさんの隣の席で昨日のダメージが残っているクノイチをメンテし始めた。



    ルナさんとあたしの後ろでは会長がその様子を眺め、細かいアドバイスをしてくれる。



    時々難解な単語がでてきて、聞き返すが、それを会長は丁寧に答えてくれた。



    また、あたしたちの知らない整備上のテクニックなども教えてくれる。



    会長が持ってきたのは無地の缶入りスプレーでこれをアーマーフレームに吹き付けると



    表面に薄い塗膜ができ、その塗膜がダメージの軽減とアーマーに亀裂が走った際の簡易的



な繋ぎになってくれるとの話しだった。



    上級LBXプレイヤー同士のしのぎを削るようなバトルではこんな小さな違いが決定的な



差につながるとの話しだった。



数週間前までメンテナンスといえばグリスを差す程度の事しか知らなかった頃から比べれ



ば、縄文時代から一気にSFになるぐらいの進歩だ。



そんなアドバイスをくれる会長の姿に一瞬国民的ネコ型ロボットの姿がダブったが余りに



不謹慎きわまりない自分の想像力に脳内のあたしがそのロボットを打ち消した。



朝のホームルーム開始まで20分を切った頃ナイトメアとクノイチの整備は完了した。



セイジ・・・メンテナンス・・・完了だね・・うん!」



    そういうと会長は後片付けは自分がしておくからと言ってあたし達を教室へ送り出した。





LBX部員達「副部長!お疲れ様でした!」



レイカ「みんなお疲れ様。



今日の午後のメニューは私がLBXメンテナンスについて講義します。



放課後各自、多目的教室に集合してください。



それと一年生は先日配布した部活動用の量子USBとLBXを忘れずに持参してください。それでは解散!」



レイカの号令で朝の体力づくりの走り込みを終えた部員達がロッカーに向かってあるきはじめた。



レイカはロッカールームで軽くシャワーを浴びていると、隣のシャワー室から不意に声をかけられた。



カオリ「副部長・・お疲れ様です・・・。」



声の主は遠山 カオリだった。



少し声に元気がない。



おそらく、昨日件で部員達となにかあったのだろうと察した私は彼女の気負いをすこしでも軽くするように配慮しつつ言葉をかけた。



レイカ「遠山さん、お疲れ様。 



ごめんなさい・・・私の行動であなたに負担を掛けているわ・・・・・・話してもらえる?



これは私がLBX部の副部長として受け止めなければいけないことだから。」



カオリはシャワーの音で周囲に自分達の会話がかき消されているのを確認し、話し始めた。部員の半数以上はレイカさんの行動について、確かに快くは思えないがきっと深い考えがあってのことだろう・・と。



そしてカオリから「選手権前までには」という話しを聞き、「やっぱり理由があったんだ!」



と安堵の顔をするものが大半とのことだった。



問題はそこからだった。



いわゆる部内の強硬派たちはそれでは納得がいかないと噛み付いてきたのだそうだ。



強硬派は部内のトップランカーが中心で部内での発言力も大きい。



LBXも競技である以上実力と結果がものをいう世界だ。



その強さに惹かれてその意見に賛同する者たちも多い。



いまは、レイカのカリスマ性が勝っており水面下での衝突(3バカたちは表向きは一応強硬派の指示で動いていた、その真の目的は別にあったが)で済んでいたが、



3バカたちが強硬派の指示を拒否しはじめ、中立を保つようになると、それをレイカからのパワーゲームの挑戦と解釈した強硬派はいわゆる冷戦を始めたとのことだった。



レイカ支持派をあらゆる手段を使い、強硬派に従わせるようになったというのだ。



日々その数は増え続けておりこのままではいつ反乱が起きても不思議ではないという状態だというのだ。



カオリ「副部長・・・申し訳ありません・・・私の力が足りず・・・」



    隣のシャワー室から嗚咽がかすかに洩れてくる。



カオリ



    突然、レイカは隣のシャワー室に入り、カオリを壁に押し付けながらその目を見ていった。



レイカ「うぬぼれないで!いまのあなたにLBX部がまとめられるわけないでしょう!」



    レイカの怒りの表情をみたカオリの顔はみるみる悲しみのものに変わった。



    が次の瞬間には驚きの表情に変わった。



    レイカが突然カオリをやさしく抱きしめ、耳元で語り始めた。



レイカ「いい・・よく聞いて・・遠山さん・・確かにいまのあなたではLBX部をまとめていくことはできないでしょう・・でもそれはいまだけの事、私がここを卒業したあとはあなたがこの部をまとめていくの・・・バトルの実力も、指導力も、私の卒業までに全部あなたに叩きこんであげる・・・うぬぼれないで・・・私はまだあなたに何も伝えてはいないのだから・・・ね?」



    レイカのカオリに向ける目はとても優しいものだった。



レイカこの件は私が全て対応する、あなたはこれ以上関わらないように・・いいわね!



そうカオリに言うと身支度をすませ、教室へ向かっていった。





カオリ「・・・・・・」



カオリは放心状態からなんとか取り直し、身支度をしながら先程去り際にレイカが言った言葉を思い出していた。





レイカ「・・・私もね・・昔、ある人の助けがあってLBX部を創立することができたの・・・



そのときの私は自分の思いを口にするだけでなんにもできないただの中学1年生だった・・・でもその人の背中をみて私もあの人に近づきたい!



あの人の隣に並びたい!



そう思ってここまでやってきたわ・・・結局・・今もその人の背中を追い掛け回してばかりだけど・・・・」



カオリ「・・・・・・」



レイカ「でも、この件は必ず私が解決する!それがあの時私に力を貸してくれた人たちへの私の答え・・・これは絶対によ!」



レイカは自分に言い聞かせるように言い残し更衣室を後にした。





カオリ「・・・・・・」



カオリはレイカに憧れていた。



その容姿だけでなく指導力、決断力、カリスマ性、すべてを兼ね備え完璧に見えた・・



・・・自分もああなれたら・・と努力は惜しまなかったつもりだ・・・



・・・でもそんなレイカさんが追いつこうとしている人がいる・・・



カオリ「レイカさんも・・・私と同じだったんだ」



そう思うとなんだか不思議と喜びがカオリの胸をいっぱいにした・・・・。





セイジは同好会室(通称プレハブ)の片付けを終え、研究塔へ向かっていた。



が昨夜の徹夜が祟ってか、歩く姿に覇気がなく夢遊病者のようだった。



セイジ(さすがに徹夜はまずかったかな・・・部屋に戻って放課後まで寝よう・・)



そんなことをボーっとした頭で考えながら歩いていると、不意に肩を叩き呼び止められた。



若い女教師「あ・・あなた3年生ね!だめでしょう!もう授業は始まっている時間でしょう!すぐに教室に戻りなさい!」



      セイジは見覚えのある顔にああ・・と思い当たり、返事を返した。



セイジ(この女性・・・確か履歴書でみた・・・新卒で今年から入った・・名前は・・・忘れた・・・)



   「あ・・その・・・ぼくは・・こっちが・・」



新卒女教師「コラ!授業をサボろうなんてだめじゃない!



たしかにうちはエスカレーター式だからその意味では3年生のあなたも受験の心配はないかもしれないけど、学校は勉強をする為だけの場所じゃないのよ!」



      女教師の言葉を聞いたセイジの目は年老いた老人のような表情で遠い目をした。



      そしてその表情の変化に気づき若干うろたえている若い教師にこう告げた・・・。



セイジ「・・・ええ・・分かっています・・本当・・・身にしみて・・・ね」



新卒女教師「・・・?・・・」



      若い女教師は戸惑いながらもセイジを教室へ戻そうと説得を続けようとしたそのとき、



      古参の国語教師の国枝が慌てた様子で息を切らせながら駆け寄ってきた。



国 枝「は・・初美先生・・か・・彼がどうかしましたか・・・ハアハア・・・」



初 美「あの・・・国枝先生・・大丈夫ですか?」



    息を切らせている定年が近い自分の祖父程の古参の教師を初美は心配そうに見ている。



国 枝「だ・・大丈夫です・・それより・・彼は・・・ハアハア」



    初美はこれまでの経緯を国枝に説明したすると・・・



国 枝「はあ・・・やっぱり・・御崎君すまなかったね・・・彼女は・・」



セイジ「・・・ええ・・分かっています・・思い出しました、現LBX部副顧問の初美 清美先生でしたね・・・新卒の・・無理もないです。」



初 美「!?」



セイジ「ちょっと徹夜明けだったのでボーっとしてましてお手数おかけしました。



これから研究塔の自室で仮眠を取ろうと思います。



それにしても・・見事に押し付けられてますね・・・まあレイカの方には、ぼくからよろしくと伝えておきますので・・それと・・もう余り無理はなさらないでくださいね・・・」



国枝先生と御崎と呼ばれた生徒の自分の頭を掻きながら話す仕種はまるで合わせ鏡をみているような・・・そんな感想を持っていると御崎と呼ばれた生徒は私に気の毒そうな顔を見せながら研究塔に向かってまたフラフラと歩いていってしまった。



初 美「?あの・・・国枝先生・・その・・・」



    私は事情が飲み込めず自分の教育担当である国枝先生に尋ねた。



    すると国枝先生は先程御崎と呼ばれた生徒を見送りながら一言・・



国 枝「ん・・・本当・・・不憫な生徒だよ・・・ほんと・・ね」



    国枝先生に促され私は理事長室のさらに奥の部屋に通された。



    ソファーに座って待っていると国枝先生が金庫の鍵をあけそこから一冊のアルバムや何かの資料らしきものを抱えて戻ってきた。



    そのアルバムは数年前のこことは別の小学校の卒業アルバムだった。



    そこには先程の御崎と呼ばれた生徒が体操着に3-A・・子供らしい笑顔で写っていた。



    ページをめくり卒業の集合写真をみるとそこには写真の隅に円で囲われた無表情で視線の冷たさが印象に残る御崎少年が写っていた。



たった数年の間にこの少年になにがあったのか・・・私はこれから聞くであろう彼の話に体を固くした。



国 枝「初美先生・・・まずはこれを・・」



    そういって国枝先生がみせたのは有名な学術雑誌で年数は数年前だった。



    内容はチンプンカンプンだったがオプティマと呼ばれる人工臓器技術に関する論文で作者の顔と名前は・・・・(日本政府要請により削除)・・・・?」



初 美「?・・・・国枝先生・・これって?」



    国枝はさらに一束の報告書を手渡し、ポツポツと静かに語り始めた・・・彼の悲劇はその明晰な頭脳にあったと・・・



    この論文を書いたのは彼が12歳・大学生のときだった・・・きっかけは彼の妹・既に故人である御崎 星美(仮名)の難病の発症だった。



    彼が3年生の時、妹の星美が病に倒れその病床で彼は妹と約束を交わした、



「お兄ちゃんが星美の病気を絶対なおしてやる!」



これがすべてのはじまりだった。



    ふつうの子供であればそれは決して叶えることができない・・妹への慰めの言葉で終わっているところだが、彼にはもって生まれた才能とそれを実現してしまう環境があった。



約束を現実のものへと変えてしまう程の・・・・



彼はそれからほぼ半年で大学卒業程度の学力を身につけ、実際に5年生のとき若干10歳でA国の有名工科大学試験に合格・単身渡Aし、ホームステイで生活した。



このときすでに複数のオプティマ関連の発明や特許を取得していた。



これには彼の叔父がアンドロイド工学の研究者であり、自宅に隣接している研究所への出入りが許されていたことが幸いしていた。



だがここから彼の悲劇ははじまる。



「史上数人目・若干10歳の少年、妹を救うために大学生に」という美談にマスコミが飛びついた。



政府が介入するまでの数ヶ月間、連日の取材攻勢で彼も彼の家族も精神的に追い詰められ疲れきっていた。



その後、研究者の叔父が、大叔父に相談し、大叔父は時の教育担当大臣・財前宗助に働きかけ、セイジのそれまでの発明や特許からその才能を重要視した政府の保護プログラムが発動し、彼と彼の家族は名前も戸籍も換えて、一切の取材活動も保護プログラムによって制限された。



だがマスコミの取材攻勢・若年で両親と離れての生活こんなものが11歳の少年の心に悪影響を及ぼさないわけがない。



そんな矢先、妹の星美があっけなく他界した。享年9歳。



妹を救えなかったという焦燥感とともに彼は休学扱いで帰国した・・・だがこのときにはすでに博士号を取得し、その卒業論文が学術誌に載り、さらに大学側からのたっての希望で籍だけではあるが大学院生になっていた。



彼の家族との平穏な暮らしが戻るかに見えたがそれはもう無理な話だった。



彼は家庭内での暴力的な行動や発作的な奇行が目立つようになった。



彼の両親はそれでも献身的に一人残った息子を見守った。



そんな日々の中、セイジの開発したオプティマ関連の技術がLBXに応用できることが分かり、彼にはその特許料が入るようになった。



それはLBXの爆発的普及に比例して莫大な額に上った。



すると、彼は両親にその財産の半分を渡し、ある全寮制の学校への入学を決めてしまった。



彼の父方の大叔父が理事長を務める私立ミソラ総合医療福祉大学病院付属中学校である。



星美を失ったばかりの両親は反対したが、大叔父とはすでに話しがついており、なにより



「もう、家族を傷つけたくないんだ・・・大好きだよ・・父さん・・・母さん・・」との言葉にそれ以上の反対はできなかった。



 彼は大叔父に渡す莫大な寄付金と引き換えにこの学園内での自由を得た。



この学園は彼にとって彼が大人になるまで、外界の悪意や好奇心から彼を守ってくれる小さな楽園・・・箱庭なのだ。



すでに海外の大学院生でもあるセイジには勉強の必要はないが、大叔父はいくつかの条件を課した、その一つがどんなジャンルでもかまわないが必ず部活に所属することであった。



彼は時折現われる企業スパイなどからオプティマ研究をカモフラージュするため、片手間にはじめたLBXを看板に据え一人で同好会を名乗った。



またその当時の同好会顧問として国枝先生の名前が載っていた。



その後どういった経緯かは不明だが、当時新入生だった現LBX部副部長レイカと知り合い、LBX部の創立に尽力した。



このころからセイジの行動に変化が起き始め、それまで散見されていた暴力的な行動や奇行がみられなくなったと報告書には書かれていた。



その原因として、対外的接触の増加に伴いその奇行や暴力的行動の抑制を自らにかけるため、その対処方法として彼が対外的なキャラクターモデルとして当時唯一接触のあった男性である、国枝 治氏の行動を真似ていると付け加えられていた。



報告書はこのレポートを作成した小児精神科医の名前で締められていた。





小児精神科医師 花見恵子



話を聞き終えた私は自分の頬に涙が伝っているのを感じた。



まだあどけなさを残したあの少年にこんな少年マンガの主人公みたいな過去があったなんて・・。



でもこんな大事な話を何で新卒の私なんかに・・という疑問にかられ国枝先生に聞いた。



初 美「あの・・・国枝先生・・こんな大事な話をなんで・・・・・」



    すると国枝先生は先程御崎と呼ばれた生徒と同じような遠い目をしながら一言・・



国 枝「実は私・・彼の親戚に当たるんですよ・・本当・・・かなり遠縁ですけど・・・・



この学園の教師になったのもお恥ずかしい話ですがそのコネでして・・・」



初 美「!・・あの・・・もしかして・・」



国 枝「ええそうです・・御崎君と私と初美先生は親戚ということになります。」



    かくゆう私もこの学園の理事長が大叔父であったコネで就職が決まったのだ・・



国 枝「ま・・理事長からも彼に関してのことを後、数年の間託すことができるように計らって欲しいと言われていましてね。」   



    つまり私がこの就職難の時代に学園の教師に成れたのは・・・彼を守る役目を引き継ぐため・・・・・



国 枝「ま・・試験は合格・・・理事長にもそう伝えておきます。



あ・・・もちろん他の先生方にはなにがあっても内緒ですからね?



もっともここでの勤続の長い先生方は気づいていて沈黙されているようですけね・・・」



そういうと分厚いファイルを国枝先生は私に手渡した。



国 枝「・・・この内容をいまここですべて覚えてください。



あなたの特技を使えば内容の把握だけなら数時間で済むでしょう。



あとこのファイルはこの部屋からの持ち出しもコピーも禁止ですから必ずここに戻してください。・・・それとこの部屋のIDカードと金庫の鍵です一つは私、一つは初美先生に。



    鍵は二つ無いとあきませんから・・・がんばってください。



 ・・・初美先生、あなたのがんばりにあの少年の未来がかかっているんですから・・」



私はかなり動揺していた。



いつの間にか話が完全に引き返せないところまで来ている。



この間大学を卒業したばかりの私にとんでもない大役が回ってきた。



たぶん私の特技・・・瞬間記名能力・・これが私が選ばれた理由のひとつだ・・・



ここで私はあの御崎少年の言葉を思い出した。





「・・・ええ・・分かっています・・本当・・・身にしみて・・・ね」



「それにしても・・見事に押し付けられてますね・・・」





あの言葉は彼の心の底からの言葉・・・・・そして彼の去り際の私に向けられた表情の意味はこれだったのか・・と納得した。



だがさっき私が流した涙にウソはないし、なんとかやってみせる!と固く心に誓った。



国 枝「あ・・・ちなみに彼の卒業までおよそ8年ほどですがそれまで1年ごとにその報酬としてこれだけいただけることになっています・・ま・・・励みにはなるでしょう・・ハハハ・・・」



私は電卓に弾かれた0の数字の多さに驚いた。



一瞬顔に笑みがこぼれそうになるがこの0の多さがまだ15歳の彼が平凡な少年として過ごすはずだった人生の一部と引き換えにしてしまったものの大きさだと気づくと私はすぐに笑えなくなった。



その様子をみて、国枝先生が、



国 枝「ん・・・やはり・・あなたを選んで正解だったようですね・・・あの子をよろしくお願いします。・・・・初美先生」



初 美「はい・・・私・・頑張ります!」



私は分厚いファイルをめくり、受験生の頃を思い出しながらその一言一句を頭の中に



刻んでいった。

ダンボール戦機二次創作SS⑦

あたしは朝日の訪れを感じ、ベットの上で目を覚ました。



疲れもなくむしろやる気がみなぎっている感じだ。



手早くシャワーを浴び制服に着替えると不意に眠たげな声が掛った。



ミチル「ん・・・ヨ・・ウコ?・・・もう起きてるの?」



ミチルは目を擦りながらトロンとした目でヨウコをボーっと見つめている。



ヨウコ「おはよう、ミチ。ごめん・・うるさかった?」



    あたしは親友の安眠を妨害してしまったかと思ったが、続くセリフを聞いて考えを改めた。



ミチル「ヨーコ?・・・・違う・・・ヨーコがワタシより早く起きれるはずない・・・・夢ね・・・」



    寝ぼけた様子でも辛らつなセリフは相変わらず、ミチルは再び布団を被ってしまった。



ミチル「・・・・・ミ・・ミチあんたね~~。{ピキッ}・・・ま・・いっか。



先に行くよごゆっくり。」



   登校の準備を終え、あたしは昨日ピエロ達から受け取った贈り物を持って食堂へ急いだ。



一階にある大食堂ではまだ6時前だというのに料理長のマサさんが忙しそうに腕を振っていた。



ヨウコ「おはようございます、マサさん。今朝のごはんは?」



ミチル「!・・・和食の2―B・・・おかずはバイキングで・・・・早いな・・・どうした?」



マサさんは少し驚いた様子であたしを見たが、その手は休むことなく美味しい朝食を作り続けていた。



ヨウコ「やったー!あたしの好きなメニューだ!・・・えっと・・ちょっと朝練で・・・」



あたしは早速、自分で配膳を済ませ「いただきます」のあいさつとともに朝食を平らげた。



下膳を済ませると「ごちそうさま」をマサさんに伝え、寮から同好会室に向かった。



マ サ「・・・・・洗濯・・・・取り込んでおくか・・・・」



    あたしは一刻も早くこの贈り物を自分のかたちにしたい気持ちにとらわれていた。



    いつもならばミチに布団を引っぺがされ、食堂を使うのもあたしがいつも最後で遅刻ギリギリで教室に滑り込むのが毎朝の恒例となっていたが、今日は目が冴えてしまってとても寝ていられない気持ちだった。



    はやる気持ちを抑えつつも足早にあたしは同好会室に向かい、ようやく到着した。



みためは相変わらずおんぼろなプレハブ小屋そのものだったが、今のあたしにとってはかけがえのない場所だ。



ヨウコ「!電気が点いてる・・・会長・・・もうきてるの?」



   てっきり自分が一番乗りだと思っていたあたしはちょっといたずら心をだして会長をおどろかしてやろうとそっとドアを開け大きく息を吸い込み準備を整えた。



ヨウコワッ



 ? キャッ!



ヨウコ?!



あたしは予想に反した高い悲鳴に逆に驚いてしまった。



みるとそこには見覚えのある顔が頭をかかえて目をつぶり床に座り込んでいた。



悲鳴の主の顔をよくみると昨日からとなりの席になった編入組みのクラスメイトだと分かった。



名前は確か・・・月・・・じゃなくて・・・そう!ルナだ!間違いない。



と同時に内心(しまった・・)という思いと(何でこの子がここに?)という疑問が同時にわきあがってきた。



とりあえずあたしがするべきは・・・・謝ろう。



あたしはおそるおそる昨日あったばかりのクラスメイトに声を掛けた。



ヨウコ「あの・・・ごめんなさい・・・まさかこの部屋にいるのがあなただって思わなくって・・・」



    ルナは恐る恐る目を開け、ヨウコの姿を見てようやくその表情に安堵の色が浮かんだ。



ル ナ「あ!・・・砂山さん・・・・その・・・お・おはよう。



    場にそぐわない第一声にヨウコはポカーンと口を開け数秒固まってしまった。



だが気を取り直し、声を出した。



ヨウコ「そ・・その・・おはよう・・・あの・・ここってこの学校のLBX同好会の部室なんだけど・・・えと・・こんな朝早く、なんでここに?」



    ヨウコはまず自分の中にある疑問を解消しようとルナに質問をした。



するとルナは制服のポケットからゴソゴソと生徒手帳を出し、その中に挟んであった一枚



のカードをヨウコに差し出した。



ヨウコはそのカードをルナから受け取り、驚いた表情でそれを見た。



ヨウコ「これって・・・同好会の会員証(しかも正会員)!・・ってことはあなたも同好会のメンバーなの?」



ルナは床に座り込んだまま頭をコクコクと振りその言葉を肯定した。



ヨウコ(・・・同好会は入ろうと思って入れるところじゃない・・・あたしだって会長に拾ってもらったようなもんだし・・おまけに仮入会だし・・{涙}・・この子はどうして・・?)



    ヨウコが顔いっぱいに?マークを貼り付けていると目の前のクラスメイトから声が掛った。



ル ナあの・・ちょっと手伝ってもらえますか?」



ヨウコ「 ? 」



ル ナあの・・腰が抜けちゃって・・・立てないの・・・」



ヨウコ「?・・!ご・ごめんなさいぃぃ 」



ヨウコがあわてて近くのイスにルナを座らせているとガラッとドアが開き見慣れた顔が声



を掛けてきた。



セイジ「・・・あれ・・二人とも・・早いね・・って・・どうしたの?」



    セイジは周囲の状況を確認するとハッとなにかに気づいたようにすぐにルナに駆け寄った



セイジ「大丈夫か!苦しいところや違和感は?」



    セイジはルナに矢継ぎ早に質問しつつCCMを操作しどこかに連絡を入れていた。



ル ナあの・・ぜんぜん変わりないです・・大丈夫ですから・・御崎先輩」



    つながったCCMの相手にセイジは短く用件だけを伝えた。



セイジ「すぐに車椅子を持って同好会室へ!現在異常は見られないがすぐに検査に入る!」



    横でその様子を見ていたヨウコは普段のセイジからは想像できない、ただならぬ雰囲気を感じ取り、床にぺたりと座り込んでしまった。



    1分ほどで車椅子を持った恵子が到着し、同好会室に放心状態のヨウコを残して、ルナたちは敷地内に待たせていた救急車で一般区画の病院へ向かった。



    その後直ちに30分ほどの検査が行われ、問題なしとの診断が下された。



    検査の間もルナはセイジに向かってさっきのできごとを必死に訴えていた「彼女は悪くない」と。 



検査が終わり、診断が告げられると、



ル ナ「あの!・・砂山さん・・あのままじゃ・・きっと・・びっくりしてる・・だから・・」



セイジはルナの頭に手を置きながらルナにこう伝えた。



セイジ「ん・・と・・大丈夫。 彼女のことはレイカに任せてあるから・・・安心して・・ね?」



    ルナはセイジの言葉を信じ、ゆっくりと検査用のベットに身を戻した。



まだ朝6時40分を回ったばかりの同好会室に女子のすすり泣く声が響いていた。



ヨウコ「グスッ・・・ヒック・・・どうしよう・・・あの子・・死んじゃうのかな?・・・・ 」



    ヨウコは目を真っ赤に泣き腫らし、膝をかかえて床にうずくまっていた。



    いつもの分析力や洞察力も感情が上回った今の状況ではまったく発揮されずただ、頭の中を良くない想像だけがグルグルと巡っていた。



    するとヨウコの後ろから聞き覚えのある声が掛ってきた。



ヨウコが後ろを振り返るとそこには・・・



レイカ「大丈夫?、砂山さん?連絡を受けて飛んできたのだけれど・・」



    レイカの顔を見たとたんヨウコはまるで火がついたように大声で泣き出してしまった。



ヨウコ「ウワァァァァァアン・・グスッ・・・ヒック・・・どうしよ・・わた・あの子・・驚かせちゃって、・・・会ちょ・・いつもとちがくて・・・救急車・・の音して・・グスッ・・・ヒクッ・・・死んじゃ・・うのかな?・・・・あ・・あ・・あたしの・・せいで・・・グスッ・・ 」



レイカはセイジからの電話であらかじめ、状況を聞いていたため、ヨウコの混乱振りにも納得していた・・・



レイカ(無理もないわね・・・今後のことも考えるとこの子のトラウマにならないようにうまく話さないと・・・・まずは・・・)



ヨウコ「!・・・・グスッ



    レイカはヨウコを自分の胸に抱きしめるとそっと頭をなでながらヨウコが落ち着くのをまった。



    しばらくするとヨウコは落ち着きを取り戻し、ようやく冷静に話ができる状態になった。



ヨウコ「グスッ・・・あのヒック・・・レイカさん・・ごめんなさい・・ 」



レイカ「大丈夫よ・・いい・・・砂山さん落ち着いて聞いてね。



いまセイジから連絡があって、ルナちゃんの検査の結果は異常なしとのことよ。



いきなりのことが多くておどろいたのね・・・無理もないわ・・・



まずどこからはなそうかしらね・・・・」



    レイカはオプティマの件を伏せながらルナの病状を説明した。



    また本来、昨日の時点でクラスメイト全員に伝えられるべきルナの病状とその対応が学校側と病院側の連絡の不備で伝わっていなかった事、またセイジもルナの同好会入会の件を急ぐこともないと考え、ヨウコには伝えておらず、「早朝に同好会室に見知らぬものが出入



りしていれば警戒するのも無理はない」とセイジから謝罪の言葉があったとヨウコに説明した。



ヨウコ「グスッ・・・でも・・あの子・おどろかせちゃったのあたしだし・・・ヒック・・。 」



レイカ「・・・・・そうね・・・では、いまからルナちゃんに謝りに行きましょうか。



彼女は授業開始まで、校内の保健室にいてそこから登校するそうよ。



授業開始まで、まだ一時間以上あるわ。



まずは寮に戻ってその顔をなんとかしましょう。



あまりひどい顔だと今度はルナさんの方も気にして泣き出してしまうわ・・・ね?」



ヨウコ「・・はい!・・レイカさん!・・ぐすっ



    あたしは自分の泣き腫らした顔をなんとかするため、レイカさんに付き添われて1年生が暮らす自分の女子寮へ戻った。



    その朝、1年生の暮らす女子寮はちょっとしたパニック状態に陥った。



    寝癖頭にパジャマ姿で歩くものが多く目立つ、朝の1年生女子寮に突如として校内の女子生徒誰もが憧れるお姉さま「レイカ様」がなんの前触れもなく現われたのだ。



    はじめはまだ自分が寝ぼけているのかと周りのものと顔を見合わせたり、ほっぺをつねりあったりしていたが、それが現実とわかると彼女達の表情は恍惚から一斉に青ざめたものへと変わった。



自分達の女子としてあまりにだらしない格好に気づき、悲鳴をあげながらあわてて自室へ駆け戻る者が続出し、その声を聞いて部屋から顔を出したものがレイカの姿を見て、同じように部屋へ引っ込むという事が繰り返され、しばらくするといつも慌ただしい朝の女子寮は一転して不自然なまでの静寂につつまれた。



ヨウコ(・・・あ~あ・・・みんな・・・ごめん・・・



    あたしは心の中で1年生女子寮の全員に心から同情と謝罪をした。



    あたしは自室に着くと緊張の面持ちでレイカさんを部屋へ通した。



    この腫れ上がった顔をなんとかするために一度シャワーを浴びることにした。



    シャワーを浴びているとドアの外からレイカさんの声が掛った。



レイカ「今朝は起き抜けに急に呼び出されてしまって、まだシャワーを浴びてないの・・・一緒に使わせてもらっていいかしら?」



・・・それからのあたしの記憶は途切れ途切れでなんだかハッキリとしない・・・・



・・・・・ただ・・・「いろいろすごかった」・・・それだけが頭の中に残っていた。



     ・・そういえば途中ミチがベットからむっくりと起き出し、、寝起きの状態でイスに腰掛けて髪を乾かすレイカさんの姿を見て「・・・ワタシ・・・まだ夢の中みたいね・・・」といって再び横になってしまったが気にしないことにした。



身支度も何とか整いレイカさんがあたしの顔を見ながら、



レイカ「うん・・・これならもう大丈夫ね。さあ、保健室へ向かいましょう。」



あたしはレイカさんに促されるようにルームメイトの寝息の聞こえる自室をあとにした。



女子寮から地続きの校舎へ入り、保健室のドアの前に到着したところでレイカさんがノックした。



すると、中で待っていた会長がでてきてレイカさんと何事かを話し、廊下で待つあたしのところへ二人でやってきた。



セイジ「あ・・砂山さん、今朝は驚かせてしまってごめん。



ぼくが昨日のうちにキチンとキミに説明をしておけばよかったんだが・・・なかでルナち



ゃんが待ってるから話してくるといいよ・・・ね。



あたしはためらいながらもそっとドアを開けると、ベットの脇で登校の準備をしている彼女とお互いの目が合った。



ルナ+ヨウコ「あの・・・」「あの・・・」



        お互いが同時に互いを呼び合い、次の言葉を出すタイミングがうまくつかめない。



ルナ+ヨウコ「・・・・・・・・」「・・・・・・・・」



        意を決して次の言葉を口にした。



ルナ+ヨウコ「ごめんなさい!」「ごめんなさい!」



ルナ+ヨウコ「・・・・・・・・プッ」「・・・・・・・・プッ」



ル ナ「・・フフフ・・」



ヨウコ「・・アハハ・・」



ル ナ「・・・あのわたし・・ルナです。よろしくお願いします。」



ヨウコ「・・・ヨウコ・・砂山ヨウコよろしく。」



二人はどちらともなく握手を交わしていた。



ここであたし達の後ろから会長の声がかかった。



セイジ「あ・・その・・一件落着で・・・いい・・みたいだね・・いや・・よかったよかった・・」



保健室を出ようとする会長の肩にレイカさんがそっと手を置きながらこういった。



レイカ「ええ・・これで一安心ね(にっこり)・・・と・こ・ろ・で・セ・イ・ジ{怒}!



   突然レイカさんの手に力がこもり会長の肩をがっちりと鷲掴みにした。



ルナ+ヨウコ「 ! 



       そのとき、部屋の空気が一瞬でレイカさんの怒気に包まれた・・・がレイカさんの表情はニッコリと満面の笑顔のままだ・・・怖い・・・・。



       レイカさんの後ろに怒り狂ったライオンの姿が見えた気がした。



横にいる会長を見ると、肩をつかまれたままレイカさんに背を向け硬直し、体中からいやな脂汗を流している。



あたしはとなりで金縛りにあったように動けなくなっているルナさんの手を取り、静かに保健室を出てそっとドアを閉めた。



無言で彼女の手を引きながら教室に向かって廊下を歩いていると遠ざかる保健室から会長の悲鳴らしき声と激しい物音が聞こえてきたがあたしは気にしないことに決めた。



となりでルナさんがチラチラと後ろを振り返っていたが、あたしは彼女の目を見て、軽く首を横に振ると、彼女は黙って俯いたまま教室に向かい始めた。



あたしたちは心の中で静かに合掌をした。



       その後、教室についたヨウコたちはクラスの女子の数が少ないことに気が付いた。



       ルナは不思議そうな顔をして首を傾げていたが、ヨウコは顔を少しひきつらせていた。



       その後担任教師が教壇に立ちクラスの生徒の少なさに首を傾げていると、ホームルーム開始のチャイムがなってから1年の各教室に多数の女子生徒が大挙して教室に駆け込んできた。



担任教師は遅刻をした女生徒たちの余りの多さに彼女達に尋ねた。



教 師「?・・・貴方達・・・いったい何があったの?」



遅れた女生徒達「「「「「「・・・・・・・・・・・」」」」」」」



       女生徒達はお互いに伏目がちに目を合わせていたが結局最後まで無言を貫いていた。



       だが、その女生徒たち全員が全員ともいやにしっかりと整った身なりをしていた。



       結局理由はわからずじまいだったが数が多すぎることもあり彼女達は遅刻扱いにはならな



かった。



ホームルームでは担任から今月の行事予定などに加え、ルナに関する病状の説明(心臓の病気ということになっている)がされ彼女には無理をさせないようにと注意が促された。またルナ本人からもクラスメイト全員に今後かけるであろう迷惑に対して謝罪と協力のお願いがされ、それは暖かく迎えられた。



       ・・・ホームルームが終わりに差し掛かったころ影守ミチルが息を切らせながら寝癖頭で教室に現われた。



       教師から後で生徒指導室に来るよう申し渡されたミチルはしょげた様子で自分の席に着席した。



ヨウコ(・・・・ごめん・・・ミチ・・・すっかり忘れてた・・・)



    ヨウコは昼の学食でミチルとルナに謝罪の意味もかねてケーキをおごろうと心ひそかに決めた。



授業は滞りなく進み昼休みになった。



ヨウコは今朝の一件で迷惑をかけたルナと遅刻の件で、担任からお叱りを受けしょげ返っているミチルを誘って食堂へ向かった。



食事をしながらヨウコはルナとミチルにお互いを紹介し、今朝の遅刻の原因を「レイカさんがワタシの部屋にいる夢を見たから」などと話すミチルの愚痴を聞き、ヨウコは若干顔を引きつらせながら、へ・へー そ・そーなんだーなどと上擦った声で合い槌を打っていた。



ヨウコは今朝のお詫びといって二人に食堂で一番高いケーキをご馳走した。



三人でケーキを食べながら会話は弾み、ミチルも元気を取り戻したようだった。



午後の授業が終わり、放課後になったところであたしはルナさんと同好会室に向かった。



同好会室では会長がパソコンに向かって複雑な記号の羅列を入力していた。



ヨウコ「会長、今来ました。」



ル ナ「こんにちは御崎先輩。今朝はありがとうございました。」



セイジ「あ・・・二人とも来たね・・・ま・・とりあえず座ってよ・・」



ルナ+ヨウコ「 ! 



       振り返った会長は顔中に生々しい引っかき傷と絆創膏を貼り付けていた。



あたしたちはあえてその件には触れず、会長に促されるままイスに座った。



セイジ「んー・・ま・・・今朝はいろいろあったけどあらためて紹介するよ。」



   それから会長はルナさんの入会までのいきさつについて詳しく説明してくれた。



   ルナさんはLBX部の入部を希望していたが、LBX部では体力づくりや反射神経を鍛えるためのトレーニングも毎日行っていて、病気のこともあり、それらについていくのは体力的にも難しく、入部を断念せざる負えなかったが、その実力を惜しいと感じたレイカさんが、LBX部副部長として、会長に紹介し見事入会試験をパスして入会になったとの事だった。



ヨウコ「あの・・・入会試験って・・・もしかして・・・」



   ヨウコはいやな記憶を思い出していた。



セイジ「そ・・・君が見事、赤点をとったあの入会試験だよ・・ちなみに彼女は95点だったんだ・・・」



ヨウコ・・95・・」



   あたしは隣に座っているクラスメイトと自分のおつむの方の実力の違いを思い知り、なんだか情けなくなってきた。



   お情けでこの同好会にいるあたしと違い、ルナさんは実力でこの同好会に入会したのだ。



   あの思い出しただけで頭が痛くなりそうな難しい試験を?!しかも95点!?はは・・涙も出ないや・・・



   ちなみにあたしたちが受けたペーパーテストはLBX関連の歴史・各コアフレームについての多岐にわたる問題、各武器・防具の特徴、etc・・・果てはオリジナル必殺ファンクションのプログラミングなんてのまであった。・・・(普通、中学生にそんな問題出すか!?)



・・・でもそれをルナさんは95点!・・・なんでそんなことまでできるのかと不思議に思い、本人に尋ねた。   



ル ナ「あの・・あたしのおねえちゃん、タイニーオービットの研究開発室に勤めてるの・・・



それで簡単なLBXプログラミングの仕方とか習って・・・あとは自分で勉強して・・・。」



ヨウコ「へー・・そ・そ~なんだ~・・す・すごいねー・・・。」



あたしは聞くんじゃなかったと激しく後悔した。



セイジ「あ・・そういえばこの荷物・・・キミのかな・・・砂山さん?」



会長はあたしの前にあのピエロたちからの贈り物を差し出した。



ヨウコ「あ!すっかり忘れてた・・そうです!あたしのです。」



    あたしは箱を開けて中身を確認した。すると会長がその中身を見てこう言った。



セイジ「・・全部最新式だね・・・これは・・・すごいな・・」



    あたしは昨日までのピエロたちとの一件を含めて会長達にすべてを説明した。



セイジ「・・なるほど・・・これは大切に使わせてもらわないとね」



ヨウコ「はい!」



セイジ「・・・ん・・それじゃ・・本日の同好会の練習メニューはLBXの組み立てと調整だね。」



   それからあたしは会長とルナさんに手伝ってもらいながら、この大切な贈り物を使い丁寧にクノイチを修復し、カスタマイズをしていった。



   それから2時間ほどであたしの新しいクノイチは完成した。



   早速同好会室そなえつけのバトルフィールドにクノイチを躍らせた。



ステージ 草原



ヨウコ「踊って!クノイチ!使用LBX クノイチ(新素材使用) 機体色オレンジ+レッド



装備 陽朱刀ヒナタ SGハイバースト×2





ヨウコ「さあーて!それでは早速!走れ!クノイチ」



    強化ダンボールの草原を赤い風が駆け抜けていく。



    赤い風は遮る物ない草原を縦横無尽に駆けめぐる。草原に一筋の炎が走っていくかのごとく



ヨウコ「すごい!加速もトップスピードも今までと段違い!思った通りに動いてくれる!お次は!」



    新しい武器を構えたクノイチは草原に立てられた練習用のダミーLBXに向かって攻撃を仕掛けた。



    刃渡りが小さい小太刀型の陽朱刀ヒナタは強化ダンボールでできたダミーLBXをその一撃でいともたやすく真っ二つにした。 



ヨウコ「すごい切れ味!これ本当に小太刀なの!?じゃあ次はこっちね!」



    クノイチは武器を持ち替え両手に2丁の銃を構えた。



    狙いを定めたクノイチの銃口からSGハイバーストが交互に火を噴いた。



    ダミーLBXは着弾と同時にその形を一瞬で塵へと変えた。



ヨウコ「すごい威力!いままでの攻撃力不足もこれで解決ね!」



    ヨウ子はまさに有頂天だった。



最新型の装備品を纏ったクノイチのスペックは市販品としてはいま最高に近い状態だった。



    ピエロたちの思いの詰まったLBXが自分の予想以上の動きを魅せたことがヨウコの高揚感をより一層掻き立てていた。



    だが、このあとヨウコは自分の浅はかさを再び思い知ることになる。



セイジ「うん・・悪くないね・・・そのクノイチ・・まだまだ調整は必要だろうけど・・。



それじゃせっかくだから調整もかねてルナちゃんとバトルして見ない?」



    セイジの提案にヨウコはそれを快諾した。



    先程のウォーミングアップで見た性能を早く実戦で確かめてみたいという思いに駆られていた。



ル ナ「あの・・砂山さん、よろしくお願いします。」



ヨウコ「うん!よろしく、ルナさん。」



ルール  ゼネラルレギュレーション



ステージ 草原



アイテム使用不可



準備が整いそれぞれのLBXがフィールドに投下される。



ヨウコ「踊って!クノイチ!使用LBX クノイチ(新素材使用) 機体色オレンジ+レッド



装備 陽朱刀ヒナタ SGハイバースト×2



   ここで突然会長がルナさんを呼びとめ、LBX用の武器を手渡した。



   ルナさんはそれを自分のLBXに装備し終えるとフィールドにLBXを投下した。



ル ナ・・・ナイトメア・・



装備 ラバークレセントムーン 機体色赤



ヨウコ・・!ナイトメア!)



    ヨウコは昨日のバトルに突如現われ、消えた黒い幽霊を思い出した。



    そして、昨日の黒い幽霊のプレイヤーの正体は彼女なのでは?という疑念が頭をよぎった。



ヨウコ(いけない・・今はバトルに集中!



バトルスタート



   ストライダーフレーム同士のバトルらしくまずは互いに加速を始め、一直線に相手に向かっていく。



初撃はクノイチの陽朱刀ヒナタからだった、スピードに乗りその勢いを借りたまますれ違いざまにダメージを与えることを繰り返すヒットアンドアウェイだ。



   だがかまいたちのように繰り出されるクノイチの攻撃をナイトメアは軽くクレセントムーンを合わせてかわしていく。



   ヨウコのクノイチは武器を繰り出すタイミングが若干ずれているようだった。



セイジ「・・・・砂山さん、LBXのスペックが上がってるんだ、クノイチの動きを良く見てCCM操作と攻撃のタイミングを掴むんだよ。」



   ヨウコは攻撃を10回、20回と繰り返す内、そのタイミングを掴んだようだった。



セイジ「・・・・うん・・大体いいんじゃないかな・・・。



    それじゃ今度は銃の方いってみようか?」



 セイジに促されるようにクノイチの武器を銃に持ち替え攻撃をはじめる。



 ナイトメアは高速移動でそれを巧みにかわし続けていた。



セイジ「・・・・照準が右上にずれてる感じだね・・・ちょっと今直してみてくれる?」



    当然バトルは一時中断。



ヨウコは言われるままにCCMで照準設定を直し、試し撃ちをする作業を繰り返し、納得の行く照準精度をようやく出せた。



    セイジの合図で再びバトル再開。



先程と同様に攻撃をはじめると、ナイトメアに当たらないまでも確実に接近を阻めるようになった。



セイジ「・・・うん・・・もう大体いいみたいだね・・それじゃそろそろ本番に行こうか?」



    クノイチはGSハイバーストの銃撃でナイトメアの接近を阻みつつ徐々に距離を詰め、攻撃のタイミングを図っていた。



    銃撃で跳ね上がった石を踏み、一瞬ナイトメアのバランスが崩れた。



ヨウコ(今だ!



    クノイチは銃で牽制をしつつ、一瞬で距離を詰め、武器を持ち替えナイトメアに一撃を与えようと無駄のない動きで攻撃を繰り出した。



ヨウコ(当たった!・・!?



    クノイチの攻撃は空しく空を切っていた。



    ナイトメアはその攻撃を紙一重でかわし、すばやくクノイチと距離をとった。



    その後は10分程の攻防が続いた。そんな中、ヨウコは先程とは違った高揚感を得ていた。



ヨウコ(なんだか・・すごく楽しい!



    ヨウコはまるで自分と同レベルのライバルと接戦を演じているような、お互いの実力が伯仲し、戦いながら、お互いを高めあっているような不思議な感覚を覚えていた。



ヨウコ(この子ともっと戦っていたい!もっと!もっと!



    ヨウコはバトルを心から楽しんでいた。



ふとルナのほう見ると楽しそうな笑顔が見えた。きっと彼女も同じ気持ちなんだと思うと、その高揚感は最高潮に達した。



    だがその高揚感はその上昇具合に比例してこのあと自分を苦しめることになった。



セイジ「・・・コラ。」



    突然会長がゲンコツを作りルナさんの頭を軽くポカリと叩いた。



ヨウコ(!?何で止めるの?こんなに楽しいのに!この子ともっと戦っていたいのに。



ル ナ「ご・・ごめんなさい御崎先輩・・・だって・・・楽しくって・・」



ヨウコ(!?何であやまるの?楽しくていいじゃない!



セイジ「・・・ぼくとの約束・・忘れてないね?・・今は部活中だよ・・けじめはキチンと・・ね?



    それにそういうバトルは同じ会員に対して失礼にあたるよ・・いいね?」



ヨウコ(けじめって?



ル ナ「・・・・わかりました。 



・・砂山さん・・それじゃ・・これから攻撃するから・・それと・・ごめんなさい。」



ヨウコ(ごめん?・・何で・・・っ!!



ドガッ



    次の瞬間クノイチはナイトメアの一撃を受け空中に吹っ飛ばされた。



ヨウコ(え?・・今!何っ!



    ヨウコの混乱をよそに体制を立て直す間も無く次の一撃がクノイチを襲った。



今度は下からそして上空からと避ける余地もない連続攻撃だった。



ヨウコ「あ・・・あ・・」



    クノイチは上空での一撃を受け、地面に叩きつけられた。



ヨウコクノイチ!



    ヨウコは思わず叫んでいた。そして今までの高揚感が一気に醒め、足が震えるような恐怖を感じていた。



そして同時にヨウコは持ち前の分析力と洞察力でいまに至る状況を一瞬で分析し自分の置かれている立場を再認識した。



そして自分の滑稽なまでの勘違いを嫌というほど思い知った。



あたしは彼女とバトルを・・



ヨウコ(・・・バトルをしてたんじゃなくて・・・・バトルをしてもらっていたのか・・・・



まるで姉が年の離れた妹をあやすように・・・



そしてセイジがルナをたしなめるように言った「同じ会員に対して失礼にあたるよ・・」という言葉がそれを完全に裏付けていた。



    ヨウコはその天性の分析力をフル回転させ、状況の打開策を探った。



ヨウコ(ルナさんの実力は・・・少なくともあの黒い幽霊と同格かそれ以上。



今までの会長とルナさんの発言から彼女はまだ本気を出していない。



もしあたしに勝機があったとすればさっきまでのバトルの間だけ・・・



この試合に勝てないとしたらあたしにできることって・・・・・)



フィールドに横たわっているクノイチを見てヨウコはその贈り物の主達のことを想った